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イノセント・ゲリラの祝祭 / 海堂尊 [本のこと。]


イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)

イノセント・ゲリラの祝祭 (上) (宝島社文庫 C か 1-7)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/01/08
  • メディア: 文庫



イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)

イノセント・ゲリラの祝祭 (下) (宝島社文庫 C か 1-8)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2010/01/08
  • メディア: 文庫


海堂尊作品、次はこの作品を本日11/7(日)、読了しました。
螺鈿ブラックペアンときて、順序として本当は「"医学のたまご」を読んでおきたかったんですが、近場の書店で探してもなかなか見つかりません。
文庫化されていない作品は、そこまでちゃんと置いてある訳じゃないんですね。
で、文庫化されている中で、この作品と「ジーン・ワルツ」を一緒に購入、順当に行けばそれが先なんですが、でもまずは田口・白鳥シリーズの続き、作品としては順序をだいぶ飛ばしてますがこちらを読み始めました。

田口センセイに降りかかる無理難題でも、今回は特に異色、びっくり変化球の依頼です。
こんなにひどいこと依頼してるんだけど、高階病院長がなんだかちょっとお茶目に思えてしまうのは映画での國村隼さんのイメージがやっぱり大きいです。
相手はまさかの霞ヶ関のお偉いさん方。
厳密には桜宮サーガというと舞台が違うのかもしれませんが、でもやっぱりこれも海堂尊作品世界の中の同じ物語ですね。
さすがに振れ幅が大きすぎて、田口もてんてこ舞い・・・かと思いきや、意外にスマートに立ち回ってたりして、やっぱりオールマイティなキャラクターだったのを改めて感じました。そしてお膝元でコンビの相方・“火食い鳥”白鳥が大暴れ・・・かと思うと、こちらも意外に今回は縁の下の力持ち的な役回りで、結構おとなしめだったりしてます。ミスター厚生労働省・八神とか、ひねくれスカラムーシュ・彦根とか、逆さパンダ香水男・西郷とか、新しく登場するキャラクターがやたら面白いんですが、物語のメインが何しろ会議室です。
延々、それぞれ自らの立場の固持・拡張を図るお役人たち、権威の体現者たちの本人たちは当然と考えている迷惑な思惑が語られていく展開は、見た事ないにもかかわらず、これって事実そのものなんじゃないかと思える描写で、不思議な感覚をおぼえました。リアルな憤りを感じる内容です。会議の描写でこんなにエンターテイメントとして、読み物として成立させられるって、海堂さんの他には書こうとも思わない題材なんじゃないでしょうか。
後半、彦根医師が孤軍奮闘する会議の場面は、「ジェネラル・ルージュの伝説」で読んだ“海堂尊物語”の作者本人の姿と重ね合わされて見えちゃって、なんだか勝手に盛り上がっちゃいました。
小説の虚構世界と現実の社会情勢が二重写しになって感じられます。
この読み終えたときの満足度、もしかしたらこれまで読んできた作品の中で一番だったかもしれません。
読み終えた直後に、すぐまた最初からじっくり読み直してみたいと思ったほどです。
その上で、またあのバチスタの原点に立ち返って改めて読み返したくなりました(でも買ってある「ジーン・ワルツ」をまずは読み進めようかと)。
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よろずや「M」

こんばんわ~。
でも買ってある「ジーン・ワルツ」をまずは読み進めようかと>はまりましたね。

by よろずや「M」 (2010-11-09 23:28) 

cs

よろずや「M」さん、niceとコメントどうもありがとうございます。

はまってますね。
もう、止まらない状態です。
それだけ、まだ読んでない作品がたくさんあって、今まで読んでみている感じでも、毎回結構楽しめてるから、本当に次を読むのが待ち遠しいくらいです。
「ジーン・ワルツ」、もう1/4くらいまで来ちゃいました。
今のところ、文庫化されたものをまず読んでるんですが、文庫以外だと探すのちょっと大変なんで、そろそろペースダウンしていこうかとも考えております。
by cs (2010-11-11 21:08) 

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