疾走/重松清 [本のこと。]
日曜に読了しました。
思春期の疾走。なぜこれほどの痛々しい出来事が彼の身に降りかかって、存分に地獄を味わわなければならなかったんだろう。おそらく理由なんて最初からどこにもなかったし、違う選択肢ももしかしたらはじめからなかったのかもしれないわけです。
「おまえ」という視点。
映画を先に鑑賞してしまっていて、展開も知っていて、それでなのかどうかわからないけど
この眼差しのあることがどれほどの救いだったか。映画では引用されることがほとんどなかった聖書の記述は、やはり小説のような表現でしか有効ではないんだと改めて思いました。
苦々しい物語の終結なんだけど、晴れ晴れはしていないかもしれないけど、でも生きていけることはやはり有難いです。そこに勝手に自分なりの意味を見出すほかはないんでしょう。
小説を読み終えてまた、映画を味わいたいと思いました。
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