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「ゴーン・ガール」 [cinema]

12/31(水)に観てきました。
2014年の映画鑑賞の見納め、今回は自分にしては例年になく珍しく、洋画でした。
デヴィッド・フィンチャー監督の作品です。

(以下、ネタバレになる記述を含んでおりますので、続けて読む場合はご承知おきください)

美しい妻の振り返り微笑む顔のアップに重なるモノローグ。その冒頭から、こんな途方もない展開になるなんて。
不意に失踪してしまった妻を探す顛末がメディアを巻き込んで拡散していく様であったり、その妻のプロフィールが衆目の格好の退屈しのぎの題材として加熱していく様子、その“他人事”だからこそ気楽に善意を示して小市民としての充足を得るエンターテインメントになる人の心の身勝手さ、醜さみたいなものが、主人公である夫にはよくわかるというこの描き方が、観ていてすごく惹きこまれました。そのメディアにまんまと翻弄されつつも、想定したものとしてお茶の間が望むとおりに身を晒しつつ自らの舵をとるキャラクターを演じる夫・ベン・アフレックがよかったです。彼の周囲の人々が不安になりつつメディアに巻き込まれてしまう中、最も激しい流れに中にあって冷静にやり過ごしている姿はある意味、予想を裏切る展開でもあって、お見事です。
対する妻・エイミーを演じたロザムンド・パイクも素晴らしかったです。なぜ妻は夫のもとを去り、こんな事件になったのか、その顛末を描いていく用意周到な後半部分は、前半でイメージされていた妻のキャラクターをことごとく反転させていきながら、どんどん加速していく凄味があって、それでラストに再度登場する冒頭のシーン・・・・もちろん、ここで再現される映像から、観ているこちら側が感じるものは全く異なってます。その落差に観終えてからもしばらく引きずられてしまいます。
同じフィンチャー監督の「セブン」や「ゾディアック」を観終えたときのような、複雑なものが渦巻く余韻でした。
なんでこれを、2014年の締めくくりで・・・とちょっと思わなくもないんですが、でもとにかく、見応えは十分過ぎです。
「ソーシャル・ネットワーク」と同じく音楽を担当のトレント・レズナー&アッティカス・ロスで、このノイジーで硬質なサウンドの緊張感がまたたまらないです。
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