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「太平洋の奇跡 フォックスと呼ばれた男」 [cinema]



3/20(日)に観てきました。
やっと更新してますが、公開してすぐの時期の鑑賞、これは予告で知って、すぐにでも観たかった作品でした。
昨年夏に、文庫化された「永遠の0」という作品に出会って、自分が知らないでいた太平洋戦争について改めて考えたり興味を持ち始めて、この物語のようなエピソードも、ぜひ知っておきたいと思っていました。
永遠の0 (講談社文庫)

永遠の0 (講談社文庫)

  • 作者: 百田 尚樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/07/15
  • メディア: 文庫

1944年6月、終戦も近い時期のサイパン島での出来事となると、日本にとっては苛烈極まりない絶望的な状況下での物語ですが、この事実を記した原作は、圧倒的優位にありこの当時ほぼサイパン島を軍事的に制圧していた立場のアメリカ軍海兵隊の一員の手により、敬意をもって伝えられたものだったというのは本当に驚きです。
その主人公・大場栄大尉を演じたのは竹野内豊さん。
どちらかというとTVドラマを中心に活躍しているイメージで、自分は映画では「さまよう刃」以来だったんですが、彼の体現している大場大尉が極限状態の中、勇猛果敢というよりはどちらかというと素顔は穏やかなキャラクターだけど、偶然の導きにより置かれた立場により重責を背負うことになり、戸惑いながらも理性的でベストな決断を下して変貌していく顔がまるでドキュメンタリーのようで強烈に惹きつけられました。この作品での大場大尉の行動を観ていると特殊な状況下で必要とされるリーダーシップみたいなものは始めから資質として万全に備わっているというよりも、その環境がその人の現場の経験として備えていくよう方向づけていくんじゃないかと思えてきます。もちろん、大尉としてその場にいる時点ですでに備えている背景はあるとしても。
そして、その対極にあるキャラクター、堀内一等兵・唐沢寿明さんも鮮烈でした。この人物造型は唐沢さんからのアイデアが反映されていてデフォルメされた架空の要素もかなり多いようですが、最前線の戦地における狂気を存分に伝えるキャラクターでむしろリアルに思えました。
日本パートの視点は日本で平山秀幸監督による演出、そしてアメリカ軍のパートはチェリン・グラック監督が脚本段階から参加と、双方の視点がブレンドされている作品であるというこれまでの日本映画ではまずなかった制作過程もよかったと思います。
ずっしりと深い手ごたえのある作品に出会えて、本当に良かったです。
早速、原作の小説を探して読み始めました。

タッポーチョ 太平洋の奇跡 「敵ながら天晴」玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語 (祥伝社黄金文庫)

タッポーチョ 太平洋の奇跡 「敵ながら天晴」玉砕の島サイパンで本当にあった感動の物語 (祥伝社黄金文庫)

  • 作者: ドン・ジョーンズ
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2011/02/04
  • メディア: 文庫



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