「ソーシャル・ネットワーク」 [cinema]
ソーシャル・ネットワーク 【デラックス・コレクターズ・エディション】(2枚組) [DVD]
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- メディア: DVD
1/23(日)に観てきました。
劇場鑑賞が3本続いて外国映画って、自分にとっては珍しいパターンですが、デヴィッド・フィンチャー監督の作品はひとまず全部スクリーンで体験できているんで、この作品は公開が待ち遠しかったです。
フィンチャー監督は前作「ベンジャミン・バトン 数奇な人生」で寓話的な主人公を独自の映像話法で描いていましたが、今回は実話ベースの物語で、その半分が会議室というかなりユニークな設定。世界最大のSNSである"Facebook"がどうできたかを紹介しながら、その創始者の人物像を自らの才覚によって圧倒的な成功を手にしたもの、という肖像では捉えていない脚本が面白かったです。
冒頭から彼女に振られる状況がどう見ても彼自身の問題に思える不器用すぎるキャラクターの主人公マーク・ザッカーバーグを演じるジェシー・アイゼンバーグの一見普通の学生風情がリアルでした。それにしても、最初からとんでもない膨大な台詞量に圧倒されます。その上、時制はこの大学時代の場面は過去。現在は2つの裁判の争議中で、事実確認の真っただ中という構成。
当然のことながら訴えを起こした側と、被告側では見えている事象もずれがあったりするんですが、淡々とその場の状況を客観的な位置にあるカメラが捉えているというポジションが面白かったです。この描き方は「ゾディアック」でも同じように、犯人像が最後まで結論としては出ないまま、その事件に振り回され生活が変わってしまった人々の姿を追いかけていたスタイルと共通です。
不器用で傷つきやすいけど自分の足りないところに気づけない主人公がそれでも信念を貫こうと格闘する姿はある意味では思春期そのものの青春映画とも考えられる側面もあったりして、不思議な作品です。
フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
- 作者: デビッド・カークパトリック
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2011/01/13
- メディア: ペーパーバック
ゾディアック!さすがですね。
そうそう、ああいうテイストですね。
ゾディアックは評判を聞いた後にDVDで観たので、最初から結末に期待をせずに観たんですが、そういうstoryを知らずに観た人は、やはり賛否両論で結末が。。。って満足出来てない人も居ましたね。
どちらも人間模様とか一人の人間の心中などを描いてるのに、フィクションとノンフィクションの間の微妙なstoryなだけに、結末があるものだと観る方が期待してるって部分がありますよね。
こういう映画は結末を知って(納得して)みないとちょっとなんだかなぁって気持ちが残っちゃうんでしょうが、この作品も充分楽しんで観る事が出来ました。
by minku〜♪ (2011-02-12 17:55)
minku〜♪ さん、コメントどうもありがとうございます。
この作品も「ゾディアック」も共通しているのは、同じ事象であっても人による見方はそれぞれだし、全く違った風景に見えるのかもしれないっていう部分ですね。
「ベンジャミン・バトン」もそうなんですが、こういう人生、どう考えますか?っていう要素だけ提示して解答は示さない作品をデヴィッド・フィンチャー監督はこのところ撮り続けているようで、観終えて考えてみたくなる様々なポイントが散りばめられてて、自分は好きです。
by cs (2011-02-12 18:09)
こんばんは。
FACEBOOKの凄さを知らずにみたせいか、
どちらかと言うと青春映画として観ていました(^^ゞ
あのラストの哀しげな姿に、天才なのになんて不器用なのだろうかと
ちょっと寂しくなってしまいました。
主人公たちのリアルな存在感が良かったです☆
by non_0101 (2011-02-13 00:22)
non_0101 さん、niceとコメントありがとうございます。
自分もFacebookの存在は感覚としてどうなのか分かんないです・・・・^^
やっぱり、ビターな青春映画に思えますよね。
それが実話で、主人公が天才といっても万能な訳ではない、ごく当たり前に未熟な部分もあったりする姿がリアルでした。
でも彼は、確かに不器用で孤独なのかもしれないけど、それでも毛嫌いされているのでもない辺り、最終的には憎めないキャラクターとして描こうとしてたんじゃないかと思えて、自分はこの作品の提示の仕方が好きです。
by cs (2011-02-13 02:21)
こんばんは^^
青春群像劇の面もありましたね。
マークの親友、サベリン目線で描く物語も
結構面白くなりそうな気がします。
早口の台詞は凄かったですね。
今、テレビでやってたのですが
あの台詞の量を通常のスピードで喋ると3時間を越えるそうです。
上映時間を短縮するためだったそうですが
独特のテンポが生まれていました、これは正解でしたね!
by てくてく (2011-02-14 23:34)
てくてくさん、niceとコメント、TBありがとうございます。
あのサベリンくんのキャラクターはよかったですね。
彼が半ばあきれつつも傍にいてくれてるのって、実は大きな財産なんじゃないかと思えます。
それにしても、やっぱりあの台詞量。
かなり脚本はぎりぎりまで手直ししつつ撮影を進めていたようで、それがあの高密度とテンポになってるって、どうやらあくまで結果論みたいで、そういう撮影現場の熱気とかテンションとかって計算だけではできないのかもしれません。
ほんと、面白かったです。
by cs (2011-02-15 22:42)
こんにちは〜。
>青春映画とも考えられる側面
そんな感じでしたね☆
なんだかんだいっても、大学楽しそうだったな〜^^
by ジジョ (2011-02-17 02:11)
ジジョさん、niceとコメントどうもありがとうございます。
大学生ノリで始めたらえらいことに・・・っていうテイストのまま、実際には時間も経過してるはずなんだけど違和感なく観られましたね。
楽しそうでもあり、一方で切実に他者と関わりたいがために実現したのかもと考えたりもできて、そういう間口の広さというか余白がたくさん残されてる描き方が面白いです。
by cs (2011-02-17 22:56)