「天然コケッコー」 [cinema]
ちょっと前から、この作品のことが気になっていました。
原作があり、それがマンガであることは後から知って、この映画化脚本担当が渡辺あやさんだと知って、更に監督は山下敦弘氏と分かり、公開が待ち遠しくなる時期になってかなり期待いっぱいという精神状態で観に出かけました。これは決して作品にとってプラスになる状況ではありません。できることなら、なるべくフラットな気持ちで作品に向き合いたいものです。
主演の右田そよ役=夏帆ちゃんは例えばリハウスCMで見せていた繊細で陰があってやはり都会で育っている雰囲気がある表情とは随分違って島根の山の奥ですくすく育った感じが自然にしてて、その屈託のない幼さがまだ残る表情はとてもとても素敵でした。そよという子は、顔立ちはきれいで性格もごく普通に穏やかで優しいんだけど、ただちょっとだけ考えが足りなかったりして、でもそれは思春期に多分誰しもが少し持っている部分だとも思えるし、完全でなんかあるはずないっていう感覚が共感できました。その眼差しの澄んだ真っ直ぐさが実に印象的でした。両親役の佐藤浩市氏・夏川結衣さんがこういう田舎町の風景にすんなり溶け込むキャラクター、さすがです。
そしてくるりの主題歌、レイ・ハラカミの音楽がまた、なんとも和めました。
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