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「誰がために」 [cinema]

誰がために

誰がために

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • 発売日: 2006/02/24
  • メディア: DVD


劇場公開のタイミングで見逃してしまっていた作品です。もうDVDリリースされてます。
でも今回、リバイバル上映の機会があって、縁あって映画館のスクリーンで観ることができました。この作品に映画館で出会えてよかった。なお、同時上映「メゾン・ド・ヒミコ」でした。
クレジットではエリカと表記されている女優さん、彼女はあの大好きな作品「ワンダフルライフ」出演の小田エリカさんでした。今回はかなり大人っぽい雰囲気で、イメージがあの頃とは随分違います。これが劇場作品を初監督という日向寺太郎氏、長いことこれまで「父と暮らせば」の黒木和雄監督の作品で助監督を努められていたということですが、彼女は「美しい夏キリシマ」に出演していたという縁があったんですね。その作品はまだ観ていないんですが今回も印象深い役で「ワンダフルライフ」のときとはまた違うちょっと浮遊した存在感(これって、浅野忠信氏と対応する感じなんですね。オーラが共通してるみたいなイメージです)がありました。
内容が少年の犯罪、それも衝動的な殺人に対して法が冷たく画一的ともとれる保護している人権と結果的に踏みにじってしまうもの(もちろん複雑な立場にたたされた胸中をすべて言語化なんて無理な話だと思います)、その渦中に居るときの心の動きを問題提起するというもので、現実にニュースで語られる理不尽な事件もつい思い出してしまうある意味究極的な問いかけでもありますが、映画は実に静かに淡々と人物を見つめ、穏やかな余韻を残しています。
寄り添うように奏でられる矢野顕子さんのピアノ曲がざらついてひりひりしそうな気持ちを優しく包み込んでくれて達観へと向かう。こういう佇まいの演技、やはりこの人、浅野忠信氏はすごいですね。
それと、今回は脇に徹して抑制の効いた中にも笑顔の印象が鮮明に残る池脇千鶴さんはもっと見ていたいというところでエンドロール。とても複雑で、でも決して悲観ではない終わり方に刻み込まれる表情がよかったです。


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