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MASTER TAPE -荒井由実「ひこうき雲」の秘密を探る- / NHK BS-2 [Watching TV:Music]


ひこうき雲

ひこうき雲

  • アーティスト: 荒井由実
  • 出版社/メーカー: アルファレコード
  • 発売日: 1998/06/24
  • メディア: CD


TVの番組表でふと気になって、予約録画しておいたものを鑑賞しました。こういうシリーズで製作されてる番組という訳ではなく、どうやら単独のドキュメンタリー番組のようです。
ユーミンが大事そうに16chマルチトラックのマスターテープを抱えながら、スタジオ入り。
荒井由実として、デビュー・アルバム「ひこうき雲」レコーディング・セッションで製作された音源の入ったマスター・テープを聴きながら当時を振り返るという企画で、当時のレコーディングスタッフのお二人にユーミン、それとアレンジとサウンド全面的に担当のキャラメル・ママ、のちのティン・パン・アレーのメンバーである松任谷正隆氏、細野晴臣氏で改めてその演奏を聴いていきます。当時、まだ現在のようなプロデューサーという立場はなかったんですが、この顔ぶれは実質的にプロデュースも兼ねてレコーディングに参加している意味合いがあったと思います。
最初はアルバム製作前に最初にレコーディングされた ♪返事はいらない から。
ピアノ、ドラム、ベース、ギター、それにパーカッションというごくベーシックな構成のバンドサウンドはシンプルだけど、とにかく演奏の確かさ、ちょっとしたフレーズに凝っているそれぞれのパートの表情の豊かさ、雄弁さが凄いです。
基本的には、アルバムを通してテイクは多くても3~5、場合によってはテイク1でOKという形だったようで、そんな中で苦戦したのがVocalとのこと。試行錯誤を繰り返し、何度も録音する中で、デビュー・アルバムで確立したノンビブラートの歌唱、それにやはり、聴いたらすぐに分かるユーミンの声のユニークな個性。
でも結果的に37年も経過したって今聴いてて全く古びていないサウンドが完成してて、やっぱり凄いなと思います。
途中から、ドラムの林立夫さん、それに参加は2曲ですが、ペダル・スチールといえばこの人、駒沢裕城さんも参加して、みんなで盛り上がって聴いていました。
タイトル曲 ♪ひこうき雲 は、まずマスター・テープを聴いた上で、ちょっと移動してスタジオで当時を再現して演奏まで披露。
この部分は余興みたいなもんですが、やっぱりなんだか贅沢です。
♪ きっと言える では、マルチトラックの中から、ユーミンの声と細野さんのベースだけ抜き出して聴いてみるという提案で、再生。これが、十分これだけで音源として成立してるほどのいい音で、雰囲気があってかっこよかったです。
同じように、特定のパートだけ抜き出して再生して、それぞれがきっちり職人技を聞かせてくれる、本当に細部まで緻密に構築されてるトラックは、どれも極めて贅沢な音です。

この企画で、他のアーティストでもまた番組を観てみたいです。

Top Runner:吉俣良 / NHK総合 [Watching TV:Music]

これはちょっと前に放映していた分です。
吉俣良さんはサントラ作曲で活躍されているんで、その印象の方がたぶん強いんですが、自分は熊木杏里さんのアレンジの仕事で関わっているのでずっと気になっていて、昨年の大河ドラマ「篤姫」、そしてこの前放映が終了した「救命病棟24時」第4シーズンの音楽担当で意識してBGMを聴いたりしてました。
それから、自分が観たこれまで観た映画で考えると、「Life 天国で君に逢えたら」や「バッテリー」が吉俣さんの手がけたものだったんですが、これは後から知りました。ちゃんとメロディを記憶していない状態ですが、しっとりしてて切ない雰囲気だったと思います。
TVでは「Dr.コトー診療所」の音楽もそうです。これは印象的で、特にメインテーマはよく覚えてます。
結局これはまたちゃんと聴きたくなって、探して入手しました。
吉俣さん自身、サントラの仕事そのものにしても大河ドラマにしても、やってみたいということで依頼が来て、その期待に十分応えることで評価されてきている訳ですが、意外なことにアカデミックな音楽教育を経験していたのではないとのこと。そういう経歴のユニークさも独自のキャリアとなって、認められている部分も大きいようです。
「篤姫」の音楽製作で、ご自身の出身も鹿児島だったからこそのチャレンジとして改めて薩摩の地で生活をし、桜島の息吹を感じながら出来たメロディがあの音楽というので、サントラも持っていないし、せっかく録画した総集編は観終えて消去してしまったんですが、もう一度しっかり聴いてみたくなりました。番組ではその中の1曲をピアノソロ演奏で披露してくれました。
それから、収録スタジオ観覧者からのリクエストにその場で応じてピアノ演奏するという部分、♪サザエさん と♪帰ってきたヨッパライ を即興で切ないアレンジにして弾くというものだったんですが、これがまた見事でした。

「篤姫」オリジナルサウンドトラック

「篤姫」オリジナルサウンドトラック

  • アーティスト: 吉俣良
  • 出版社/メーカー: PONYCANYON INC.(PC)(M)
  • 発売日: 2008/02/20
  • メディア: CD



NHK大河ドラマ オリジナル・サウンドトラック「篤姫 其ノ二」

NHK大河ドラマ オリジナル・サウンドトラック「篤姫 其ノ二」

  • アーティスト: 吉俣良
  • 出版社/メーカー: PONYCANYON INC.(PC)(M)
  • 発売日: 2008/10/29
  • メディア: CD



佐野元春のTHE SONGWRITERS Vol.7-8:スガシカオ / NHK教育 [Watching TV:Music]

この番組4人目のゲストはスガシカオさん。
これまでのゲストと違い、初めて佐野さんから見て後輩になる年齢の方です。
音楽そのものについても、スガさん独自のスタイルがあるし、声も個性的、その上、歌詞についてもやはりユニークで刺激的な表現が印象的なソングライターとして、佐野さんもリスペクトがあるようです。
スガさんのデビュー間もない時期に、雑誌の対談があり、既にお互いに知り合いだったのはちょっと意外でしたが、そういうつながりがこの番組のような形で結実するのが面白くもあります。
今回、佐野さんがスポークン・ワーズの題材に選んだのは初期の作品、「SWEET BABY」です。
スガさんは、なんだかかなり照れくさいようなセレクトだったようですが、佐野さんがこの作品をスガシカオの言葉の表現における特徴を分析するひとつの典型として選んだのは、その後の二人のやりとりでよくわかります。
特にデビューからしばらくの時期まで、スガさんがラブソングに対して距離をおいてソングライティングしていた理由も、自身の言葉にリアリティを失わないためのストイックな姿勢も、この作品を通して十分に説明が出来てて、それがすごくわかりやすかったです。
影響を受けている作家として、当然の如く村上春樹氏の名が挙がっていますが、村上さんのエッセイにもそして小説「アフターダーク」にも、スガシカオの名が登場するっていう、相思相愛状態。
自らの言葉を使った表現に対してストイックというのも、これって、プロフェッショナルとしては当然なのかもしれませんが、確実にまず優先させておくべきものとしてお二人が共通してこだわっている部分のようです。
後半、ワークショップとして行われた内容がまた面白かったんですが、それは当日参加した学生たちに一枚の写真からインスパイアされた言葉を詞にしたものを集め、佐野さんスガさんがその一部を紹介しながらスガさんにも一編を披露してもらうというもの。
普段、あるモチーフからどう着想して、具現化しているのかの一端が垣間見えた気がしました。
更に、学生たちからの質問に応答するコーナーでも、その前にワークショップがあったからかもしれませんが、独特の熱気が感じられていました。
収録を終えてのスガさん、「濃密な時間だった」というその興奮気味の言葉が、まさにそこに繋がる気もします。

WORLD HAPPINESS 2009 / NHK-BS2 [Watching TV:Music]

今年2009年8月9日に夢の島公園で行われた野外イベントの記録が放映になりました。
なかなか多彩な顔ぶれだったんですが、なんといってもメインは国内ではかなり久々となるHASYMOではなく、Yellow Magic Orchestra名義で3人が登場です(ヨーロッパ公演は数年前にあって、そこはYMO名義でのLIVE音源もリリースになってましたが)。
番組構成でおそらく実際の順番はまた違うんでしょうが、YMOの3人によるThe Beatlesのカバー ♪Hello Goodbye の演奏。こういうの、盛り上がります。今年は、特にここへきてビートルズの音源がリマスターされて再発売の話題もあるし。幸宏さん、ソロでビートルズ作品のカバーも色々やってますけど、意外とポール・マッカートニーのものって、今までなかった気がします。ビートルズの曲はコーラスワークもいいんですが、細野さんと坂本教授が、それぞれの声がちゃんと聞こえてくるコーラスをとってて、これもなんだか嬉しい感じです。
この1曲から、後は参加アーティストの紹介になっていきますが、pupaに始まりスチャダラパー、砂原良徳氏、いとうせいこう氏、あたりはなんとなくYMOに直接の関連がある印象で、ラブ・サイケデリコ、Charaあたりはバラエティに富んでるなと思える参加でした。
そしてYMOの大トリ前に、Moonriders登場です。
他の参加アーティストは1曲紹介の尺だったのに、彼らは2曲、♪VIDEO BOY と ♪BEATITUDE 。
このところ、慶一さんはソロ活動がかなり精力的でライダーズ本体は少なくとも音源製作は休止中っていう状態です。LIVEはコンスタントにこなしてるみたいですが、いつからかMoonridersはこういう野外での演奏もすっかりお馴染みになってます。貫禄十分でした。
最後にいよいよ、YMO登場で、♪Thousand Knives 以下、数曲が放映されました。
締めくくりは ♪Rydeen 79/07 でした。
キリンラガーCMで初めて聴いて以来、このトラックは随分聴いてお気に入りですが、やっぱりいいです。
そこからまた、アンコールで登場して ♪FIRECRACKER 披露です。
最後の最後にこの曲、やはり盛り上がりますね。

佐野元春のTHE SONGWRITERS Vol.5-6:松本隆 / NHK教育 [Watching TV:Music]

入院加療中、停滞してて遅れ気味だった記事を少しずつ、upしていける状況になりました。
という訳で、まだこのblogの中では、夏が終わってません。

今回のこの番組のゲストは松本隆氏。
今年で作詞活動40年だそうです。
キャリアの始まりは、あの、はっぴぃえんどです。
オリジナルなロックを制作するため、結果的にその当時としては革新的な方法で、言葉を紡ぐ姿勢があって、それこそが職業作詞家としての現在に至るまで本質的には変わらない言葉との向き合い方に繋がっている、ということは、作詞の為の技術ではなくどういった生き方を意識してきたかという部分にこそ松本さんの言葉への関心もあって、作品が出来ていることが垣間見えました。
佐野さんが、スポークン・ワーズの作品として今回セレクトしたのはかつての盟友、作曲・大瀧詠一氏への手紙でもある ♪1969年のドラッグレース 。
「A LONG VACATION」に続き、全面的に作詞に関わった「EACH TIME」の中の一篇です。
大瀧さんは、2009年現在、この後のオリジナル・アルバムはまだリリースされていません。
もしかしたら、ここでの松本さんの発言を聞いてみると、この作品が松本さんから大瀧さんへの私信でもある意味を考えると結構深いものがあります。
今回、このスポークン・ワーズのスタイルを、この講義収録の後、松本さんも試みて、下町の風景の中で、自作の ♪風をあつめて を表現するというなんとも贅沢なものとして結晶しています。
そして後半、松田聖子プロジェクトの話題へ。
松本さんが作詞とプロデュースに関わり始めたのが記憶違いじゃなければ、シングル ♪チェリーブラッサム からです。
ちなみにこの曲は作曲・財津和夫氏。
財津さんも、この時点でチューリップの活動以外でこうして楽曲を提供するというのはなかったはずです。
その後、松田聖子さんの結婚による一時活動休止に至るまではほぼすべての楽曲の作詞は松本隆氏のものです。
記憶違いじゃなければ、この頃、最終的に楽曲提供に参加した尾崎亜美さんの数曲だけが例外です。
ここでの松本さんが目指したのは、はっぴぃえんど時代は最初から考えていなかった作品の質と量を高いものを、というもの。
だからこそ、シングルのカップリング曲もアルバムもそれぞれに評価され、結果的に今でも十分驚きと発見を持って聴けるものが遺されているということ。
目標はThe Beatlesが作品のリリース形態としてやっていたことを、という見本があって、規模が違う日本のマーケットの中でしか最初から考えていなかったであろうとは思うし、本人もここまでしっかりとは予想もしてなかったみたいです。
もちろんこれだけのトライアルを具現できる表現者・松田聖子ありきですけど、日本のポップソングの世界でのある種、奇跡でもあると思います。
そしてそこに、大瀧さんも細野さんも関わって、更に佐野さんまで、というのがなんだか感慨深いです。

Fixed Questionsの覚え書き:佐野元春のTHE SONGWRITERS / NHK教育 [Watching TV:Music]

7月に始まったこの番組も、すでに3名のゲストが登場しました。
番組のスタイルは「アクターズ・スタジオ・インタビュー」の構成を模したもので、このFixed Questionsというコーナーもその原型がやはりあります。
この番組の中では、定型質問というものではあるけど、即興的に佐野さんが関連質問を加えたり、多少のニュアンスをその都度変更しているようで、全部同じ項目が少なくとも放映されている中では紹介されていません。
ひとまず、その質疑応答の内容をある程度まで正確に、覚え書きとして記録してみようと思います。
言葉の細かいニュアンスは、文面だけでは再現はうまくできません。
質問によっては、一言で済まない答えもあります。
以下に並べたものは、あくまでその断片です。

まだ番組は続いていきますので、放映後にこの記事は更新していくつもりでいます。
ひとまず、放映が済んだ3名、小田和正氏、さだまさし氏、松本隆氏の分。

* 9/13に、追加更新します。スガシカオ氏の分です。
だんだん分かりにくくなってくるんで、区別のために文字色を変えておきます。

** 9/19に、再度の追加更新です。
まだスガさんの回を記事にまとめてないんですが、次の矢野顕子さんの回答です。



Q(佐野):ソングライターを志したきっかけは?
A(小田):そもそもは、音楽が好きだったからだね。

Q(佐野):影響を受けたソングライターは?
A(小田):それはもう、数限りなく居るから、絞れないよね。
  出会った音楽全てって言っても。


Q(佐野):好きな言葉は?
A(小田):「やってみようぜ」ってのは好きだね。
A(さだ):「捨てない」だね。「諦めない」って言った方がいいかな。
A(松本):「風」。ベタに答える。
A(スガ):「未来」。
A(矢野):「ありがとう」。

Q(佐野):歌詞の中で、どうしても何回も使ってしまう言葉は?
A(小田):「風」多いですね。「風」好きなんですよね。

Q(佐野):嫌いな言葉は?
A(さだ):あんまりないな。
A(松本):無い。言葉は全て平等だと思う。
A(スガ):ないですかね。そんなにないです。
A(矢野):人を卑下したり、人の人格を貶めるような言葉は嫌いですね。

Q(佐野):うんざりすることは?
A(松本):詞を書くこと。
A(スガ):おんなじ事を繰り返すことが。
A(矢野):いっぱいあるけど‥湿気。

Q(佐野):一番嬉しいことは?
A(松本):孫が僕を見て笑った時。
A(スガ):おいしいものを食べてる時。
A(矢野):おいしいものをいただいたとき。

Q(佐野):好きな映画は?
A(小田):「ローマの休日」(1953)好きですね。
A(さだ):きれいな映画が好きだな。たとえば、「黄昏」(1981)。
  ほろほろと泣く映画で言えば「ニュー・シネマパラダイス」(1989)。

A(松本):たくさんあるんだけど、厳選すると「ドクトル・ジバゴ」(1965)かな。
  もう一つは最近観たんだけど「麦秋」(1951)。

A(スガ):「ゴッドファーザー」。
  圧倒されますよね、リアリティーの凄いものを観ると。

A(矢野):繰り返し繰り返し最近観てるのが「たそがれ清兵衛」。

Q(佐野):この先歌って欲しい歌手は?
A(松本):歌っている人全員。僕の詞を表現してくれる人はとにかく全て大切。

Q(佐野):他にやりたい(なりたかった)職業は?
A(小田):小さい時は野球選手に。
A(さだ):いっぱいある。野球選手にはなりたかったな。
A(スガ):学校の先生、以前は建築家。
 人の心に何かを残す仕事をやりたかったんです。ソングライターもそうじゃないですか。

A(矢野):小学校一年の作文で「獣医さんになりたい」って書いたのが多分最後だったと思います。

Q(佐野):人から言われてカチンとくる言葉は?
A(矢野):すごーく昔に学生たちに「おい矢野顕子だぜ。ブスだな」と。

Q(佐野):男性から言われて嬉しい言葉は?
A(矢野):なんでも嬉しい。

Q(佐野):絶対にやりたくない職業は?
A(小田):毎週連載を抱えている漫画家は、締め切りが大変だなと思って。
A(さだ):毎日同じ時間に出勤して机の前に居なきゃいけない仕事。
A(矢野):人を騙す仕事。

Q(佐野):死ぬ前に愛する人に残す伝言は?
A(小田):やっぱり「ありがとう」。
A(松本):自分で気に入ってるんだけど「ごめん」。
A(スガ):難しいですね・・・「あとは頼むぞ」。
A(矢野):「ありがとう」しかないでしょう?

Q(佐野):誰のために曲を書いているか?
A(小田):自分からすすんで書くときは誰かのためにっていうのはあんまりないかな。

忌野清志郎デビュー39年記念 サンキュー!忌野清志郎!!愛してます!!! / CX [Watching TV:Music]

この番組、7/28(火)の1時過ぎという深夜帯に放送してました。
今年5月2日を迎えて、彼がいなくなってしまって、でもあくまで追悼という形ではなく、デビュー39周年をメインにという姿勢での番組プログラムです。
彼の音楽スタイルの根幹にあるオーティス・レディングの姿も印象深かったんですが、 ♪2時間35分 を演奏してるRCデビュー当時の映像なんて、かなりレアなものも含めて約1時間の内容を、録画して既に何度も繰り返し観ています。
高校の同窓生でもあった三浦友和さんのナレーションがまた必要以上にウェットにはならない淡々とした中にある温かみが嬉しかったし、チャボと晴れた空の下で二人で演奏する ♪君が僕を知ってる も沁みました。
「青山ロックン・ロール・ショー」はこれから劇場公開されるはずですが、まずは先にリリースされたサントラを聴きまくろうと思います。

忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー2009.5.9 オリジナルサウンドトラック

忌野清志郎 青山ロックン・ロール・ショー2009.5.9 オリジナルサウンドトラック

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: MILESTONE CROWDS
  • 発売日: 2009/07/29
  • メディア: CD



佐野元春のTHE SONGWRITERS Vol.3-4:さだまさし / NHK教育 [Watching TV:Music]

最初のゲスト、小田和正氏に続き、さだまさしさんの回になりました。
どちらも自分は学生の頃から聴いてきた、長いキャリアに一貫した詞の世界をもつアーティストです。
さださんは、実は自分がまだ中学の頃、新聞配達のバイトをしてもらった給料で初めて買ったアルバムが「私花集(アンソロジィ)」なので、本当に長く聴いていることになります。
私花集(アンソロジー)

私花集(アンソロジー)

  • アーティスト: さだまさし,Jimmie Haskell,渡辺俊幸
  • 出版社/メーカー: ダブリューイーエー・ジャパン
  • 発売日: 1998/05/21
  • メディア: CD


まず前半の放送で、恒例の定型質問のコーナー。
小田さんのときと同じ質問になってるはずなんですが、微妙に異なっています。
ということは、放送時間の関係で幾つかの質問は編集によりカットされているのかもしれません。
覚え書きとして、並べてみます。

Q(佐野):好きな言葉は?
A(小田):「やってみようぜ」ってのは好きだね。
A(さだ):「捨てない」だね。「諦めない」って言った方がいいかな。

このやりとりだけでも、十分二人のソングライティングへのこだわりの部分が見えてくるようです。
作品の中での表現方法は随分違うように思えますが、ほぼ世代としては近い、二人の音楽製作への格闘の歴史が少し垣間見えるようでもあります。

そして、佐野さんによるスポークン・ワーズとして採り上げた作品は
♪檸檬 です。
これはシングルとしてリリースもされ、知っている人も多い楽曲。
その歌詞の世界も、学生たちにとって分析して示している題材として丁度適しているかのように、丁寧に二人が語っていました。更に、歌詞の世界を読み解く題材としてもう1曲、
♪まほろば が挙げられました。
さださんの歌の世界の特徴を分析するのに、これもまた分かりやすい言葉の選び方が示されました。

後半、小田さんの時とちょっと趣向が変わって、ワークショップという形で、聴講している学生の中から個人的な出来事を聞きながら、その場で曲のワンフレーズを作っていくという作業を。
ホストである佐野さんはもう完全に観察者の立場で、さださん主体で歌詞とメロディがどう結びついていくかのサンプルが、単に即興的にではなく、意味の残るものとして提示されていく瞬間を見せてくれて、これは本当に特別な時間になっていました。

さださんは、とにかくこの場に集まっていた若き聴講生に、表現者として生の言葉で伝えるべきものはなんだろうと真剣に向き合いヒントを示そうと情熱を傾けている眼差しが印象的でした。

佐野元春のTHE SONGWRITERS Vol.1-2:小田和正 / NHK教育 [Watching TV:Music]

この7/4(土)の深夜から放送開始になった新しい番組です。
ゲストを招き、インタビュー形式で進めるこのスタイルはすでに「トップランナー」という番組でも御馴染みだし、更にその原型は「アクターズスタジオ・インタビュー」であることはすぐわかります。
定型質問があったり、立教大学の収録教室に集まった学生たちからの質問があり。
でもその中で進行役である佐野さんの個性が、たとえば彼が選んだ一篇をポエトリー・リーディングとして披露するコーナーで特に発揮されている番組になってます。
番組の趣旨として、ソングライターの手がける歌詞・言葉にこだわってインタビューを進め、それを分析する提示の仕方としてこういうアレンジが加わってくるのが佐野さんらしくて、他のアーティストではないユニークな部分でもあると思います。
最初のゲスト、この7/4と7/11の2週分で放映になった小田和正氏。
佐野さんが選んだ朗読のための作品は ♪The Flag でした。
シングルではなく、一般的な認知度は他に比べてむしろ低いくらいのこの楽曲ですが、その言葉にストレートに表現されている小田さんの世代の気分のようなものは、佐野さんの朗読によって独特の熱を帯びたものになっていました。
それとインタビュー部分で取り上げられていたオフコース時代の ♪言葉にできない 。
これは、歌詞を手書きで本人に書いてもらうという、これも佐野さんらしい提案で、なんだかその仕草からも伝わってくるものがある気がしました。字を書いているのを待って眺めているっていう、パフォーマンスとして成立しているかどうか、あまり気にも留めずにTV番組でこういうやりとりが行われているのもちょっとスリリングだったりして。
そしてこの楽曲は、オフコースという活動のひとつの終止符であることは当時アルバムの中でこの曲も含めて歌に込められているのは十分分かっていましたが、解釈は何通りもできる余白の残る言葉が並べられていて、普遍的な意味をとれることも改めて確認できました。

続くvol.3-4のゲストはさだまさし氏。
小田さんはすでに佐野さんと交流もあったし、クリスマスの約束でも共演してるんですが、さださんとは直接の交流があったようには思えないんですが、それだけにかなり楽しみです。
(既に放映したvol.3で前半は観たんですが、ゲストでこうも違うんだと、愉しくなりました)

桑田佳祐 Act Against AIDS 2008:昭和八十三年度ひとり紅白歌合戦 / WOWOW [Watching TV:Music]


昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 [DVD]

昭和八十三年度! ひとり紅白歌合戦 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント
  • メディア: DVD


もう既にこのタイトルのDVDがリリースになってますが、WOWOWで放映したものを鑑賞しました。
・・・・・な、長かった。
当日のLIVE完全収録で約210分のボリュームです。
最近復活したTV「音楽寅さん」での姿もそうですが、サザン活動休止という決着があって、なんだか一層精力的に身勝手にがっつり音楽活動を自由気ままに堪能してる感じです。
足枷というとあまりにマイナスですが、一方でサザンがあるというのはもしかしたら結構な制限だったのかなとふと考えてしまいます。
洋楽では、確か以前に同じこのイベントで桑田さんの音楽人生を辿るみたいな企画で披露してくれたことがあったんですが、この年の企画はその日本版みたいな色合いです。
そのセットリストが以下です。

サン・トワ・マミー(1966)
青い山脈(1949)
コーヒー・ルンバ(1961)
上を向いて歩こう(1961)
君だけに愛を(1968)
恋の季節(1968)
君に会いたい(1967)
恋のハレルヤ(1967)
ブルー・シャトー(1967)
太陽は泣いている(1968)
風が泣いている(1966)
夕陽が泣いている(1966)
真赤な太陽(1967)
学生街の喫茶店(1972)
五番街のマリーへ(1973)
心の旅(1973)
あの日にかえりたい(1975)
さよならをするために(1972)
シルエット・ロマンス(1981)
ルビーの指環(1981)
時代(1975)
いいじゃないの幸せならば(1969)
さらば恋人(1971)
経験(1970)
空に太陽がある限り(1971)
終着駅(1971)
長崎は今日も雨だった(1969)
他人の関係(1973)
君といつまでも(1965)
だまって俺について来い(1964)
スーダラ節(1961)
ハイそれまでョ(1962)
ふりむかないで(1962)
可愛い花(1959)
情熱の花(1959)
恋のフーガ(1967)
恋のバカンス(1963)
LOVE LOVE LOVE(1995)
ロビンソン(1995)
襟裳岬(1974)
舟唄(1979)
SWEET MEMORIES(1983)
3年目の浮気(1982) : ヒロシ&ハラボー
いい日旅立ち(1978)
現代東京奇譚(2007)
少女A(1982)
愚か者(1987)
狙いうち(1973)
情熱の嵐(1973)
渚のシンドバッド(1977)
勝手にしやがれ(1977)
キューティーハニー(2004)
GOLDFINGER'99(1999)
時の流れに身をまかせ(1986)
涙そうそう(2000)
もらい泣き(2002)
タイガー&ドラゴン(2002)
ラブ・イズ・オーヴァー(1982)
また逢う日まで(1971)
魅せられて(1979)
あの鐘を鳴らすのはあなた(1972)

これだけタイプの異なる楽曲を自らのVocalでねじ伏せて消化してしまう表現力の果てしなさがすごいです。
'60年代や'70年代の様々な流行歌がサザンの曲の原型のひとつであるのは周知の部分で、嬉しそうに気持ちよく歌う姿はただただもう本人が誰より楽しそうです。
そんな中でチョイスされている平成以降の楽曲のよさもまた再認識できるし、やはりVocalが圧倒的です。
♪ タイガー&ドラゴン はすっかり持ち歌みたいだし、♪ 渚のシンドバッド → ♪ 勝手にしやがれ という流れは盛り上がって当然というセレクト(でもこれって、サザンでは披露してない・なかなか実現できていない形だと思うと感慨深かったりもして)。
こうして自宅で中断しながら鑑賞するのはいいんだけど、生で観てた人はその場に居たというだけでなんだか達成感あったんじゃないでしょうか。

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