十一番目の志士 / 司馬遼太郎 [本のこと。]
「世に棲む日日」を読了して、すぐに読み始めました。
高杉晋作のエピソードのスピンオフのような作品といえます。
長州藩の天堂晋助はもしかしたらこういう人物が居たのかもしれない、という凄腕の剣客。
幕末の動乱期の血なまぐさい舞台で、実際には様々な藩だったり、場合によっては幕府にも存在したかもしれない無名の人々、その多くは、どんな出自なのかも不明であろうし、どちらかといえば卑賎な身の上から煙のように出現し、いつの間にか姿が消えている、でもその行動はまるで時代が操っているかのように求められる舞台で自らに与えられた役割を全うしていく、そのなんとも無常な余韻が新鮮でした。
大好きな作品「胡蝶の夢」にも近い感覚がありますが、その前にもう少し長州藩の縁をたどりたいと思います。
次は「花神」です。
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