「母と暮せば」 [cinema]
2016年の記録、1本目です。
1/1(金)に観てきました。
山田洋次監督、渾身の作品です。
伝えるべき物語があるから、きっちりと描かなければならない、そのために持てる力を全部込めるという気迫があります。凄いです。
監督の最近の作品では「おとうと」、「東京家族」という、過去作品へのオマージュとなるタイトルのものがいくつか挙げられますが、自分は不勉強なのもあって、その過去作にちゃんと出会っていませんでしたが、今回の元ネタとなっている映画版の「父と暮せば」は観ていました。これは更に井上ひさし氏の戯曲が原作となっていて、広島への原爆投下がその中心にありました。今回は舞台を長崎に転じて、父と娘という元から母と息子へと翻案しています。様々な登場人物たちの立場を入れ替えて描かれているので、そこから立ち上ってくる悲しみの色合い、肌触りのようなものもまた違いました。その中で、方言が変わることで言葉の印象が異なっているのも大きかったと思います。
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