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アンダーグラウンド / 村上春樹 [本のこと。]


アンダーグラウンド (講談社文庫)

アンダーグラウンド (講談社文庫)

  • 作者: 村上 春樹
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1999/02/03
  • メディア: 文庫

実は読み終えていたのは、もう数か月前です。
記憶では、読み始めたのが2015年の10月、それから約半年かかって、読了しました。
地下鉄サリン事件被害に遭遇した様々な立場の人たちの証言をインタビューアーとして村上春樹氏がまとめたこの1冊は、最初に新刊で出たときに読んで圧倒されました。
そして村上春樹氏の小説世界も、この現実に起こってしまった出来事によって大きく変容していったのは読者にとってすでに分かっていることではあるんですが、改めてその出来事が日本という国に残したものは、同じ年に起こった阪神淡路地震と重ねてあまりに大きかったのがわかります。
その後、2011年の東日本の震災、そして原発事故。もちろん、沢山の教訓があって、例えば災害救助に関して、耐震に関して、あるいはPTSDに関して、それ以前より多くの人が共有することになった様々なものがある訳ですが、もしかしたらこの時々に慣らされた警鐘が機能しなければいけない大事なところには結局、届いていないのかもしれないと、ふと思えてしまうことも実はあります。
いま改めて読み直してみて、自分が普段、マスコミの報道に対して半分無意識に感じたりする居心地の悪さのようなものを、自分はこの作品に最初に出会ったときに気づかされていて、その感触が今も残っているように思えました。
読みなおして、こうしてまた時間をおいて読了できて、本当によかったです。
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