雲は答えなかった -高級官僚 その生と死- / 是枝裕和 [本のこと。]
映画監督としてコンスタントに新作を撮り続けている是枝監督ですが、書店でふと、こんなノンフィクションの本を発見しました。
内容は、監督がまだTV製作会社で映画を撮り始める前の出来事で、その映像作品のデビュー作となるドキュメンタリーの取材過程で知り合うことになったある人物の生涯を綴ったものです。
読み始めてから知ったんですが、是枝監督は直接この人物とは対面しておりません。
こんな風に知り合うことになる、そしてそこから取材が始まるということが、その後是枝監督が作品を撮っていくに当たり間違いなく大きな影響を与えることは当然わかることです。
必然とか運命とか言ってもいいほどの大きな出来事として、是枝監督が残したこの取材記録は、形を変えて別の作品の表現へ繋がっているのはもちろん、この記録そのものが何度も少しずつ版を重ねて書店に並んでいる意味は、すごく大きいように思います。
ずっしりとした手応えの残る本に出会いました。
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