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「紙の月」 [cinema]

11/16(日) に観てきました。
今回この作品が公開されるより先に、NHKで同じ原作がドラマ化されていたのも知っていて、気になっていました。そして今回、主演は映画の出演が意外にも久々(「オリヲン座からの招待状」以来)となる宮沢りえさんなので、より気になりました。
観ていて、やはり宮沢りえさん演じる梨花の、一見平凡で穏やかにしか見えないOLさんの内に潜む狂気というか、おそらく普通に暮らしている中でも共存しているであろう衝動に徐々にためらいなく進んでいく姿に、もしかしたらどこか共感しているのかもしれない自分に気づいてちょっと背筋が寒くもなりました。
原作小説の中で描かれている事象も、そもそもこうしたモラルから逸脱する、明らかに犯罪であるという行為なんだけど、でも善悪とか理性的な判断とかを超えたところに立った側の人の姿から感じる何かを示しているようでもあるし、それは同じ角田光代さんの「八日目の蝉」にもどこか共通して提示されていたのかもしれないんですが、肯定できることではないんだけど、ただ断罪していくのではなく、その人の側に立って考えてみたくなる要素が含まれている気はしました。
吉田大八監督は過去、「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」と「パーマネント野ばら」は観ていましたが、他にまだ観ていない作品が幾つかあるんで勝手に共通点を探してみただけですが、男性から見て女性の表面には見えていない深い謎の部分を様々な形で探求してみようという試みとして、こういう題材を選んでいるのかもしれないなぁと思ったりしました。
原作についても、やはりちょっと気になるので、いつか挑戦してみようかと思っています。
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