極北ラプソディ / 海堂尊 [本のこと。]
10/18に読了しました。
16日水曜、台風の影響で出勤にとんでもなく時間がかかってしまい、あまりに動かないので車内でぽつぽつ読み始めたのが結局、2時間半の長さになり、気づいたら最初の1/5くらいは読み進んじゃっていました。
この作品は「極北クレイマー」のその後の物語として、市とともに財政破綻した極北市民病院での出来事として、引き続きの主人公・今中医師のエピソードで始まりますが、半分近く差し掛かったところで極北救急センター副所長のジェネラル・速水がついに登場。
となると、自然に物語はジェネラルの活躍中心になるんですね。
そういうキャラクターって、やはりどこか役者が違う、という印象です。
でも前半、まだ話題が今中と世良の世界で終始していた段階でちらっと“西野”という名が登場して、たまたまこの文庫化の前が「モルフェウスの領域」だったからまだ記憶に新しい部分ですぐ思い当ってにんまりだったり、さらに後半、離島でまさかの再登場してくる人物が「クレイマー」から立派に成長してた彼だったり、一言だけ回想として出てくる「ブレイズメス」の彼だったり。
最後の最後に、世良先生の物語になっていたり・・・今中センセイ、たぶん今回の登場人物の中で間違いなく人の好さでは負けてないはずなので、なんか片隅に追いやられた感じでちょっと気の毒ではありました。
でも孤軍奮闘してた前作より賑やかで前を見据えたそのずっとさきにわずかながらの光も見えたりして、読後感は爽快です。
なお、この文庫化に合わせて「極北クレイマー」は新装版として文庫1冊にまとまっていました。
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