「奇跡のリンゴ」 [cinema]
7/7(日)にハシゴしてきた鑑賞2本目はこれです。
阿部サダヲさん主演で、実話ベースの物語、監督はこれまでも何本か観ている中村義洋監督、そしてロケーションは懐かしい弘前の街並みが展開されるという後から知って共感ポイントがたくさんあることを発見した作品でした。
弘前市は大学時代、学園町にある学生寮・北鷹寮で過ごした沢山の思い出が詰まった場所です。
五階建ての寮の屋上は特にお気に入りの場所で、そこから西に岩木山が見える眺めが最高でした。
この作品でもこの岩木山が幾度となく登場し、阿部サダヲさん演じる主人公・木村秋則氏が当時無謀とも思える無農薬リンゴをつくるためにあまりにも無残な失敗を繰り返すちっぽけな存在を何も語らず見下ろし、包み込んでいるようで、後半、その雄大な稜線を眺めるだけで熱いものがこみあげてきました。
諦めずに10年続けたら結果が出るなんて、そんなことは現実には起こりません。だから命懸けでも自然の理に適さないものはどんなことがあっても失敗し続けます。観ていて、こんなにつらい現実はありません。だからこそ事実に即したものを描いて、果てしなかったその先を観たときの感慨は深かったです。
菅野美穂さん、伊武雅刀さん、山崎努さん他、それぞれの配役がすごくはまっていて、素敵でした。
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