博士の愛した数式 / 小川洋子 [本のこと。]
5/16に読了しました。
もう何年も前に、映画化もされて先にそちらを観たりもしていたんですが、河合隼雄さんと小川洋子さんとの対談を読んだり、TV「王様のブランチ」で紹介された新刊、「ことり」を読んでみたくなったのがきっかけで、今更ながら読んでみました。
先に映画を観たことのある作品の原作小説というのは、つい登場人物が映画で演じていた俳優さんのイメージに沿って浮かんできて、その印象の中で作品世界を味わうことが多いんですが、今回の場合、結構映画を観てからの時間が経過していたからか、意外にその辺りのイメージが緩いまま、いい具合に独立したキャラクターとして読めました。家政婦さんは映画では深津絵里さんが演じていたし、ルートくんは大人になってからの吉岡秀隆くんのイメージが映画では印象深かったんで子供時代の彼の(「北の国から」で純くんを演じていたような頃の)感じと勝手に結びつけたりしながら、なんだかふんわりとした心地よさを感じつつ楽しめました。
“僕の記憶は80分しか持たない”という博士の言葉は映画の中でも実に印象深かったんですが、小説の中で登場してきたある切ないシチュエーションは、ちょっと不意を突かれた感覚で、心を揺さぶられました。
改めてまた、映画版を見直してみようかと思います。
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