プリンセス・トヨトミ / 万城目学 [本のこと。]
3/28に読了しました。
この原作の映画化作品を先に観ていて、それを改めて追いかけるという自分にはよくあるパターンの読書なんですが、今回は原作者の万城目学氏の他の作品も以前から気になっていたので、これを機会に「鴨川ホルモー」「鹿男あをによし」と順に読んでからこれにとりかかりました。回り道してるんですが、どれも万城目さん独特の面白がらせたくしている工夫があって、それがいちいち楽しかったです。特に今回はご本人の地元での物語ということもあってか、大阪の下町の風景が大法螺の部分と現実の部分とごちゃ混ぜになってて活き活き描かれていたみたいでした。それにしても、この人の広げた風呂敷のまとめ方はやっぱり見事です。映画では実はあちこちに腑に落ちない個所があったりして、手放しで喜べなかったりもしたんですが、それがきちんと丁寧に回収されてました。映画版では旭のキャラクターを男性に変えて岡田将生くん、ミラクル鳥居は綾瀬はるかさんと、いろんなオトナの事情はあるんでしょうが大きな男女の変更はこの作品にとってはかなりの痛手になってしまっています。そりゃ、設定上どうがんばったって回収もしきれないだろうし、無理がありますね。
鬼の松平を含めた会計検査員トリオは実に魅力的なキャラクターだったし、違った設定、違ったロケーションでまたこの人たちの活躍を描く作品がいつか出てくれたらなぁと思いました。
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