「東京公園」 [cinema]
10/1(土)に「奇跡」と同時上映作品として鑑賞しました。
青山真治監督はずっと気になる存在で、監督作を結構なんだかんだで観てきています。
前作「サッドヴァケイション」から4年ぶりの新作、この感触はこれまでの監督作とは異なり、淡々と温かみがこみあげてくる穏やかなテイストです。
自分は三浦春馬くんの出演するものを今回初めて観たことになるんですが、素の表情に近いんじゃないかと思えるゆったりとした自然なトーンで、彼のさりげない優しい物腰にはちょっと勝手に抱いていたイメージと随分隔たりがあって意外でした。対する榮倉奈々さんも実にさりげなくて、この二人がお互いを見る微妙な距離感とか、必要以上に相手に求めない描き方がリアルに思えました。ちょっとした仕掛けで独特の設定が判明してくる染谷将太くんの不思議な存在感も印象的です。こうした同世代の仲間たちを温かく見守る小西真奈美さんの複雑な境遇(後半に徐々にわかってくる切ない状況)や、これまでどちらかというと朴訥で男臭いイメージだった宇梶さんのまさかの設定(後半、おめかしして登場してきたときは衝撃でした)、井川遥さんの謎めいたキャラクターと、みんなそれぞれにちょっとずつ生きることに不器用な感じが、それぞれに目の前の大小さまざまな障害に取り組みながら懸命に生きている姿そのものに見えて、このタイミングで鑑賞したことでとても大事なことに思えました。
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