「日輪の遺産」 [cinema]
9/19(月)に鑑賞してきました。
この作品は予告で知ってから観ておきたかった作品です。
1945年8月の物語ということで、先日観た「太平洋の奇跡」をやはりつい思い出したりもしますが、今回はサイパン島が舞台ではなく、大本営の御膝元。でも、それぞれにとっての“終戦”(この言葉はすっかり一般的に定着しておりますが本来の意味としては敗戦が適切なはず)という出来事を中心に描くものとして、自分はその意味を並べて考えておきたくなります。
真柴少佐以下3名の軍人が突如呼び出しを受けて極秘任務を命じられ、その実行をとある女学校の生徒たちが成し遂げる、その隠された運搬物資が実はマッカーサーの財宝・・・その意外な顛末を含め、先が読めませんでした。
真柴を演じる堺雅人さん、端正な佇まいはそのままに毎回新しい顔を見せてくれる、本当に幅広さを感じる堂々たる主演です。今回のキャラクターはどちらかというと寡黙で前面には出てこない役柄。こういう群像劇の中で地味な方の人物を演じる時の堺さんはむしろ一層印象的にその表情が光って見えたりもするから不思議です。森脇女学校の野口先生・ユースケ氏も、こういう地味なキャラクターはまたピカイチでした。行動を共にする軍人のあと二人、経理部の小泉中尉・福士くんも望月曹長を演じた中村獅童さんもそれぞれに見せ場があって、この立場の異なる二人のそれぞれの静かなる戦いぶりも胸が熱くなりました。
やっぱり、このあたりの描き方が原作の浅田次郎さんの作風なんだろうなぁと思います。
繰り返される “ ♪出てこいミニッツ マッカーサー・・・ ” の節が(これは元の歌・比島決戦の歌では「出てこい」ではなく「いざ来い」だそうです)なんともいえず耳に残ります。
これは観ておけてよかったです。
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