「ミスター・ノーバディ」 [cinema]
5/1(日)に、「阪急電車」とハシゴして観て来ました。
ジャコ・ヴァン・ドルマル監督の作品です。
ドルマル監督はこれが長編第3作、デビュー作は1991年の「トト・ザ・ヒーロー」で、2作目の「八日目」(1996)以来となる新作とのことで、予告で知ってから期待が高まっていました。
舞台は2092年の医療が高度に発達した“誰も死なない”想像の世界で、これから人類最後に臨終を迎える主人公が過去を語るというもの。
この設定が結構面白そうで、めくるめく映像の奔流に圧倒されたんですが・・・観ていてその複雑さに困惑してしまいました。
過去を振り返って、人生ってなんだったんだろう?と自問自答しながら展開していく監督の手による脚本は「トト・ザ・ヒーロー」とも共通するテーマに思えたんですが、今回はとにかく規模がとてつもないし、パラレルに語られる過去のエピソードがどこまで詳細に語られても結局何一つ正解=おそらくは真実にたどり着かないという徒労感に、なんだか諸行無常のムードが漂って感じられます。
主演のジャレッド・レトはどこまでも自分の身に降りかかる出来事に(それは決して悲しい出来事ばかりではないはずなんだけど)戸惑う訳ですが、観終えてこちらもとにかく当惑してしまっていました。結局、これはいったい、なんだったんだ?と。
この作品を観ることでふと浮かんでくる様々な思索のきっかけにはなるんですが、なんだかもやもやした考えがうまくまとまらない状況になりました。
記憶の辺境で気になり続けている不思議な作品ですが、いずれ時間が経って鑑賞しなおして、決着つけたくなっています。
2011-07-10 11:42
nice!(1)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0