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「インセプション」 [cinema]


インセプション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


9/15(水)に鑑賞してきました。
上映が終了しそうになって、あわてたんですが最終日の金曜はダメ、その前の木曜も時間が都合しにくそう・・・という事態で、平日ど真ん中。ハードでした。
クリストファー・ノーラン監督の作品は、結構観てきています。特に前作「ダークナイト」の世界観に圧倒されてて、今度はどんな作品になるんだろうという期待も高まりました。久々の完全オリジナル・ストーリーとなる今回のエピソードは、あの「メメント」みたいに複雑な構造の緊張感たっぷりな脚本でした。これをほとんどCGは使用せずに撮影してしまうスタイルにまず脱帽でした。実はなんとなく評判を聞いてて、ちょっと身構えちゃったりもしたんですが、深層心理=幾層にも重なり合う夢の奥の世界で展開する複雑な構造にもかかわらず、観ていて意外なほど混乱はありませんでした。
観客としてあるがままに観えている映像を体感するこういう状況って、もしかしたら映画館のスクリーンでの鑑賞だからそうなのかもしれません。
夢の中を映像化して描く形としては「Dr.パルナサスの鏡」のゆがんだデフォルメ世界もテリー・ギリアム監督らしい珍妙デザインでかなり楽しかったんですが、それとは好対照で前作でゴッサム・シティを現実世界と地続きで描いたように、クリストファー・ノーラン監督が描く架空世界は徹底的に虚飾を排して言い訳できないリアルな実感と迫力を見せてくれます。それだけに、これも現実社会に通じるが故なのか独特の閉塞感もうっすらと感じられたりもしてきます。
ディカプリオ氏のキャラクターもその裏社会のプロフェッショナルとして(最近彼はこういうの、けっこう好んで演じてますね)突出した技量があって自信満々に見えて、切ない過去を未練たっぷりに引きずってしまう内面の弱さが垣間見える揺らぎのある人物造形で、ある種このパターンの典型になっている側面もあるんですが、その彼を惑わせていく立場で登場する何を考えているか分りにくい渡辺謙さんの不穏な表情にはなんだか妙に惹かれました。
2時間28分の長尺ですが、後半クライマックスの怒涛の展開はさすがで、夢の中のまた夢の、さらにその底にある世界でばらばらに危機的状況になっている緊張感に引っ張られてあっという間でした。
そういえば、現実世界と仮想世界がパラレルに緊迫してるクライマックスで苛烈な状況になっていく感じ、ちょっとマトリックス・シリーズみたいでもありました。

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non_0101

こんにちは。
この長い作品を週の真ん中に観るのは大変でしたね~
とても面白いのですけど、体力と気力を使う作品ですよね。
> 観客としてあるがままに観えている映像を体感する
本当に体感するような作品でした。
これはスクリーンだからこそですよね。
映画館で観て良かった~と思うような作品でした☆
by non_0101 (2010-12-15 09:37) 

cs

nonさん、こちらにもniceとコメントどうもありがとうございます。
ほんとその通りで、作品の世界に惹きこまれて夢中で観てましたが、体力・気力を要求される作品でした。
nonさんの指摘にもあったように、「メメント」の挑戦的な映像が形を変えて提示されているようなクリストファー・ノーラン監督らしい作品でした。
こういう圧倒的なスケールだと、やっぱりスクリーンで味わうことの意味があるものですね。
by cs (2010-12-15 18:06) 

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