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ジェネラル・ルージュの凱旋 / 海堂尊 [本のこと。]


ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(上) (宝島社文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2009/01/08
  • メディア: 文庫



ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

ジェネラル・ルージュの凱旋(下) (宝島社文庫)

  • 作者: 海堂 尊
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2009/01/08
  • メディア: 文庫


10/17(日)に読了しました。
ナイチンゲールの沈黙」を読み終えてから、あっという間です。
この映画化・TVドラマ化された作品を読むか、順番で行くと「螺鈿迷宮」に行くか迷ったんですが、結局こちらを選びました(この作品を読み終える前に、ちょっとずつすでに「螺鈿」を読み始め、多少フライングしてます)。
内容としては、「ナイチンゲールの沈黙」と同時進行で描かれるエピソードになってて、まだその記憶が新鮮なうちにこれを続けて読んで正解でした。かなり面白かったです。
救命救急センター長・速水のキャラクターはナイチンゲールでも登場したし、東城大学付属病院オレンジ新棟の1階:救命救急センターと2階:小児科病棟が密接につながりがあることで登場人物も重なってきます。特に若い看護師の二人、小夜と翔子が好対照で並んで登場するんですが、続けて読んでいてこの二人それぞれの視点から、同じ病院内で同時多発的に別の結末へ向う展開、それもこっちはスクランブル状態だというのを考えると、もう一度ナイチンゲールに戻って読み返してみたくなります。
で、映画と比較すると、業者との癒着を告発する内部文書の出所をめぐって田口が調査を開始するあたり(いつものように、彼がそれを望んで始めた訳ではありません)や、大規模災害の再来でかつての伝説を新たに書き換えるクライマックス、そして倫理委員会での速水の独壇場、この描き方は結構大幅に簡略化している部分もありつつ、小説では意外にあっさりに感じた(このキャラクターに慣れちゃってきたのかな?)白鳥=阿部寛さんも車椅子のくせに(映画独自の設定)、前作以上に大活躍で、この病院には導入されていなかったはずのドクター・ヘリがどうなるかも含め大事な要所要所の見せ場は大胆な変更の上きっちり映像化されていて、原作を読まずに映画だけ観ていても充分に見ごたえがありました。
ただし映画化脚本では、原作にない出来事も起こっているし、ちょっと無理やり事件性を追加してるし、その結果なんだか前作の落としどころに似通った感じになっちゃってるし、細部がかなり変更されていて、改めて後から小説を読むと驚く部分もかなりあります。順序が逆で、小説を知っててあの映画化の内容を観たら、特に看護師さんたちの描き方はあまりにあっさりなので複雑な気持ちになるかもしれません。それを差し引いても、この配役も内容も映画は映画で楽しめたんですが。
原作小説では、特に田口と対立する沼田医師やその周辺の取り巻き連中、放射線科の島津、そして、映画では全く存在しないことになっている姫宮など、映画化されていない前作との関連項目部分が特に読み応えがあって、惹きこまれました。
解説を読んでいて気づいたんですが、ほんとにこれほど会議室でのやりとりが読み応えがあるエンターテイメント小説って、珍しいかもしれません。
そして間違いなく、速水センター長は堺雅人さんでぴったりでした。

ということで映画関連の部分はこれでひと段落なんですが現在、「螺鈿」と「ジェネラル・ルージュの伝説」というスピン・オフ部分の作品集(速水・エピソード1的な部分は読み終えましたが、これがまたかなり面白くて・・・)を平行して読み始めています。
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