「曲がれ!スプーン」 [cinema]
12/17(木)に観てきました。
これも上映終了前の駆け込み鑑賞になってます。
本広克行監督といえばやはり“踊る”シリーズのイメージですが、その方法論のひとつの発展形として「サマータイムマシーン・ブルース」のように舞台演劇の世界中心で活躍している人材でそれまでTV露出のほとんど無かった人たちのもつある意味で手垢のついていない表現をアンサンブルの妙として積極的に取り入れていく作品作りが得意でもある監督です(その後、TVドラマではある種その方法論自体が手垢にまみれつつある状況にもなってしまいましたが・・・)。そもそもTVで“踊る”の配役の細かいところではいわゆるお馴染みの芸能人・有名人っていう俳優さん以外の人たちをどんどん起用して、その中には当時まだ無名だった宮藤官九郎氏も役者として登場してたりしてます。
で、この「曲がれ!スプーン」も「サマータイムマシーン・ブルース」以来となる劇団ヨーロッパ企画との二度目のタッグ。
脚本は同じく上田誠氏で、原作は「冬のユリゲラー」というタイトルだったようです(パンフで初めて知りました)。
喫茶・“カフェ・ド・念力”は本来の原作のメイン舞台ですが、長澤まさみちゃん扮するAD桜井米は映画オリジナルに近いキャラクターで、原作の元になる部分ではある程度あったような雰囲気なんですが事実上成立させられなかったものでもあり、ヨーロッパ企画以外も含めて小劇場から今回のために配役されただいぶ個性的な濃い目の俳優さんたちとの顔合わせは予想以上に面白いマッチングで、こういうアイデアが本広監督らしい部分かなと思いました。
そしてこれも監督からの熱烈ラブコールでマスター役には志賀廣太郎氏。渋い存在感はほんとうにぴったりでした。
いつものように、随所に過去の作品とのリンクもあり、舞台はなぜかやはり香川になってたり、こういう小ネタの部分は実は映画館では全部はチェックしきれないから改めてDVDで、ということになりそうです。
で、寺島進さんと松重豊さんの2ショットとか、もうその映像だけで嬉しいっていう部分もあったりします。
実は今回そこまで期待はしてなかったんですが、とても楽しめました。
長澤まさみちゃんのキュートさが前面に出ていて、可愛くて素敵な作品でした(^^)
こういう心がぽっと温かくなるような作品は見ていて心地良いですね。
マスター役の志賀廣太郎は本当にいい役者さんですよね~
何か脇にいると安心できる人です(^^ゞ
by non_0101 (2009-12-26 23:44)
nonさん、こちらにもniceとコメントどうもありがとうございました。
長澤まさみさんにとっても、こういう役を振られることは過去なかった気がするんですけど、無理してない感じでよかったです。
あのカフェ・ド・念力に集まる面々がちょっとずつ情けないのが観てて温かくなれる要因でしょうか。
志賀さんの存在感は、原作の舞台ではどうしても世代的に近くなってしまうことで出せない部分だから、こういう配役で居てくれることは大きいですよね。
なんか、やっぱり安心感があって、ちょっと一歩下がってみんなを見てる雰囲気が好きです。
by cs (2009-12-27 01:23)