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「いけちゃんとぼく」 [cinema]


いけちゃんとぼく [DVD]

いけちゃんとぼく [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD


6/28(日)にハシゴしてきました。
いつものシネクレックス幕張で2本、まずは公開が始まって、お目当てのこの作品を最優先にしました。

西原さんの原作本は、なんとなく知っていた気がしますが読んでいません。
予告でも内容はそんなにまだ判っていませんでした。
いけちゃんという正体不明な生きものが意味するものは、本編が始まってすぐにネタバレをしているような展開ですが、自分はそこはあまり気にならず、がきんちょたちの不毛な日常の世界に浸れました。
主人公・ヨシオくんは、実はかなり年齢より大人びていて両親を含めた尊敬できないオトナたちを冷めた視線で眺めています。この容赦ないずるさや汚さのあるオトナの描き方は西原さんの原作のイメージどおりです。
そして当たり前に過酷な子供たちの世界も。
主演の深澤嵐くん、以前「そのときは彼によろしく」で初めて見て、ついちょっと前「GOEMON」にも出ていました。今回のヨシオ役はほんとにぴったりで、いじめられ方が堂々としててなかなかよかったです。こういう独りで責任を背負ったりしてしまう子どもにイマジナリーフレンドが居てくれるのって、わかる気がします。「ショコラ」のあの女の子にしか見えないワラビーとか、その友が去る日が来るのも必然なんですね。
ちゃんと息子に対する愛はあるのはわかるんだけど身勝手で情けない両親、萩原聖人さんもともさかりえさんも素敵でした。関西弁のあったかさが心地いい二人です。
それにしても、牛乳屋の清じい=モト冬樹さんがすごかったです。最高、いや最強(最狂?)でした。
蓮沸美沙子ちゃん演じるヨシオあこがれのみさこさんも印象深くてぴったりでした。途中からの変貌ぶりもなんだか妙に納得だし、野球対決メンバーに加わって意外な活躍もあるし、かなり味のあるキャラクターでした。
いけちゃんの声=蒼井優ちゃんという配役も見事としか言いようがありません。物語の進行にしたがって微妙なトーンの変化があって、後半は特にキュートで最高でした。空の遠くからヨシオに叫ぶ精一杯の言葉も。「鉄コン筋クリート」でも彼女にしか表現できない声が印象深かったですが、今回もぴったりで、あの声の心地よさがまた作品を観たくなる気にさせます。機会があったら、またこれをスクリーンで観ておきたいです。
CMディレクター出身の大岡俊彦監督の手がける脚本、劇場映画としてはこれが初だということですが、次の作品がまた楽しみになりました。
いけちゃんとぼく

いけちゃんとぼく

  • 作者: 西原 理恵子
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/09/01
  • メディア: 単行本



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non_0101

こんばんは。
3作連続でコメントを入れようと思っていたら
お昼休みの時間切れになってしまいましたm(__)m

主人公のヨシオくんのキャラクターが凄いと思いました。
あの子供の目線から観た社会のシビアさは怖いくらいです。
そしてそのシビアな現実に真っ向から立ち向かおうとする姿は
もう応援無しでは観られませんでした。
蒼井優さんの声も最高でしたね~
この作品も、またいつか見直してみたいなあと思う1本になりました☆
by non_0101 (2009-07-15 22:39) 

cs

non_0101 さん、niceとコメント、それにTBも先にいただいてて、ありがとうございました。
この作品も、やっぱりもう一度観たいですね。
描かれている世界が、ほんとに独特で嘘がない表現で、西原さんの言い回しの感じをうまく台詞に置き換えてて、すごく惹きこまれました。
ヨシオくん、いいですよねぇ。
ああいう感じだと、いけちゃんとしても嬉しくて丁度いい距離感で見守れるんだと思います。決して何か手伝ってあげたりじゃなくて、なんとなくそばに居る匙加減。
そしてその声を絶妙に演じてみせた蒼井優ちゃんの、なんか安心できるまっすぐさはほんとに印象深くて沁みました。
映画もまた観たいんですが、やっぱり原作にも挑戦してみたくなりますね。
by cs (2009-07-16 23:21) 

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