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「チェンジリング」 [cinema]


チェンジリング [DVD]

チェンジリング [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル
  • メディア: DVD


3/1(日)のハシゴ、これもです。
たまたま体調もいいし、時間も余裕もあって、3本観ちゃいました。
そのうち2本が洋画というのも、元旦以来のパターンです。

ここ数年、クリント・イーストウッド監督の作品がずっと気になって観ています。
そのきっかけは「ミスティック・リバー」でした。
重厚で陰鬱で、どちらかというと悲劇的な展開のものが続いていて、決して観終えて心晴れやかに映画館から帰れるような作品ではないものばかりなんですが・・・観ておけてよかったと思うものがあります。
このアンジェリーナ・ジョリーを主演に迎えた新作も、実際に起こった出来事で、抑えた色調だし、重たい雰囲気で陰惨なことが語られていきます。
途中、腐敗した警察権力によって口封じに用いる常套手段としてアンジェリーナ・ジョリーが強制的に精神病棟に収容させられるくだりは、関係ないんですがつい「17歳のカルテ」を思い出しちゃいました。状況が全然違いますが、たまたまどちらも事実に基づいて製作された作品です。パンフのインタビューによると、アンジェリーナ・ジョリーはここで演じたクリスティン・コリンズ役があまりに自分自身のパーソナリティと違うキャラクターで、まあ時代背景もあるにせよじっと厳しい状況を耐え忍ぶという行動に難しさを感じたそうなんですが、表面上タフに振舞わなくても芯が強く、かなり絶望的な過酷な立場から正面突破で打開していく揺るぎなさを体現できる俳優としてしっかり独自の表現を見せてくれています。
イーストウッド監督のディレクションも影響大だとは思うものの、やはり女優としての個性があってこそです。

このアメリカ社会の中の歪みを描くテーマは「父親たちの星条旗」と共通するものでもありますが、今回はラストが少しだけ晴れやかな台詞で締めくくられて、ほっとできました。
静かな佇まいの中に強い信念が見え隠れするジョン・マルコヴィッチ演じるブリーグレブ牧師がかっこよかったです。
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コメント 8

minku~♪

イーストウッドの作品は話自体は重いものが多く、やりきれない部分も大きいのですが、音楽も含めセンスが良いせいか、重さをスっと軽くしてくれるところがありますよね^^
この作品も私も満足できる映画でした。

hopeっていい言葉ですよね。
by minku~♪ (2009-03-15 22:01) 

non_0101

こんばんは。
3本立ては凄いですね~!それもかなり濃い作品ばかり(^^ゞ
この作品はイーストウッドらしく重い事件を描いているのですけど
時間を感じさせないほど見応えがありました。
アンジェリーナ・ジョリーの演技にはアカデミー賞をあげたかったです☆
by non_0101 (2009-03-16 00:39) 

cs

minku~♪さん、コメントどうもありがとうございます。
そうですね、やっぱりあの端正な控え目なスコアも含めて、なんだかただ重たいだけじゃないイーストウッドの表現の奥深さがあって、やはり観たくなります。
hopeっていう、シンプルだけど意味の幅のある言葉はいいですね。
「ショーシャンクの空に」でも、ラストは「I hope...」のモノローグが続いて、あの爽やかな余韻に浸れます。

by cs (2009-03-16 00:49) 

cs

nonさん、niceとコメント、どうもありがとうございます。
3本、何もこういうセレクトじゃなくても、とちらっと考えましたが、上映時間がほんとにうまく都合できたので行っちゃいました。で、締めがこの重厚さ・・・「ベンジャミン・バトン」も自分はその尺の長さが気にならなかったんですが、この作品も語り口はほんとに静かですが始まってすぐに惹きこまれて一気に観終えてました。アンジェリーナ・ジョリーはこういう役どころを果敢に挑んでて、それがまた素晴らしかったと思います。
by cs (2009-03-16 00:53) 

てくてく

アンジー、あの役を演じるの難しかったのですね。
(確かに簡単な役ではありませんもの)
でもホントに熱演で、スクリーンに釘付けでした。
私はあのラストのセリフで泣いちゃいました。
by てくてく (2009-03-18 18:00) 

cs

てくてくさん、niceとコメントどうもありがとうございます。
途中、その境遇のひどさに、つい猛烈に食ってかかりたくなったそうです。
でも、このスリスティン・コリンズさんは、表面上じっとこらえてるからこそ、芯の強さが際立つキャラクターで、それをアンジェリーナ・ジョリーは実に丁寧に表現してたと思います。静かだけど、ほんとに熱演みたいな。
ラストのあの台詞は沁みますね・・・・・。
by cs (2009-03-18 23:56) 

naonao

すごい重い映画でしたね。
アンジーも「トゥームレーダー」の続編は断り、最近は「すべては愛のために」や「マイティー・ハート」そしてこの映画とちょっと社会派の映画に自ら進んで出演してる感じがします。そういう点でイーストウッドが監督する映画と何となく共通してる感じもします。
by naonao (2009-03-25 22:14) 

cs

naonaoさん、niceとコメントどうもありがとうございました。
そうですね、すごい重たいというか、見応えがあるというか。
これが真実に基づく物語なのがあってより一層、ずっしりと胸に迫るものがありました。
確かに、アンジェリーナ・ジョリーが自らの現在の立場で出来ることは最大限したいと積極的に社会と関わっていく部分(もちろん作品選びも含め)と、イーストウッド監督が目を背けたい現実だけどしっかり描こうと選んでいく題材と、共通してる部分はある気がします。
そう考えると、この作品を撮影するっていうのは必然ですね。
by cs (2009-03-26 22:25) 

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