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ブレイブワン / WOWOW [Watching TV:films]


ブレイブ ワン 特別版 [DVD]

ブレイブ ワン 特別版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


ジョディ・フォスター主演のこの作品、映画館で見逃してしまっていました。
最近の彼女は映画撮影よりプライベートを優先させ、出演作品が数年に1本というペースになりました。
この前の作品が「フライトプラン」で、次が「幸せの1ページ」。
ちょっとずつタイプが違う役柄を選んでいるように思えます。

今回の作品は、理不尽な暴力にどう立ち向かっていくか、ある種の狂気を内に秘める人物像ともいえます。
このところの他の出演作でなんとなく共通していた母性は、今回は影を潜めていて都市生活の中の個の立場でちょっとずつ日常の倫理から逸脱していくキャラクターでした。その倫理がずっと意識のどこかに残っているからこそ、単純に自らの行動を正義と断定して突き進むことはせず、目的を完遂するほどに強く自分にダメージが返ってくる部分がけっこう新鮮でした。
一方的な暴力に巻き込まれてしまう被害者の側から、半分無意識的に制裁を加える特別な立場へ移行していく人物像が、決して強者ではない描き方になっているように見えました。紋切り型に勝手に判断するとアメリカの自由主義での“正義”を遂行する価値観を、そのまま肯定はしていない脚本だったんじゃないかと思えました。
それでも、夜の街を徘徊し孤独を消し去るための行動としては、間違いなく超えてはいけない一線を越えてしまっています。
最終的に彼女にシンパシーを感じて法の遵守に背く行動に出る警官=テレンス・ハワードのキャラクターも矛盾を抱えている複雑で揺らぎのある感じで、ラストの咄嗟の判断も決して英雄的な発想ではない、その場で自分でも自分の行動にうまく説明がつかないようなニュアンスがあって惹きこまれました。
捉えようによっては、これはバットマン、特にあの「ダークナイト」の世界観とそれほど変わらないかもしれません。「ダークナイト」が架空の街・ゴッサム・シティを描きながら現実のアメリカの都市に見えてくる描写とこの作品の中で描かれるNYの街とは表裏一体なのかも、と。
映像全体のトーンが本当に静かで内省的で、“BRAVE”という表現が逆説的に見えてくる気がしました。

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