青い鳥 / 重松清 [本のこと。]
書店では、何度か見かけていました。
重松さんの小説を読み始めたのは自分はまだ最近になってからなので、読んでいない作品が結構沢山残ってます。
その中で、この作品は映画化されて、先に映像作品としてこの物語を知ることになりました。
連作の短編小説集で、共通したテーマで描かれるエピソードの切実さが、映画を観ていたせいかありありと実感できました。
そして、やはりムラウチ先生はどうしても阿部寛さんの顔がついつい浮かんでしまいます。
小説の中の彼は、もっと地味で、顔立ちだってそんなに端正なわけはないし、キャラクターとしては違うはずですが、自分には阿部・ムラウチが息づいてそこに居て、不器用に懸命に目の前の状況に立ち向かっていました。
これ、考えてみればある種のヒーロー像なのかなと思えます。
下町の英雄じゃないけど、難題を解決していく訳じゃないけど、決してかっこよくはないんだけど、ここに居てくれてありがとうを言える存在。
マイノリティの傍に居てくれるだけでいい、そういうオトナがもしかしてどこかに居やしないかと、ふと夢想してみたくなる、ちょっと特別なキャラクター。
読み終えて、少しだけ背中を押された感覚がありました。
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