「天国はまだ遠く」 [cinema]
11/15(土)に鑑賞して来ました。
最近日本映画で単館系の作品を、都内まで出かけないで観られるのはありがたいです。
ただ、上映期間が限られているので優先順位がちゃんと決められないとどっちつかずで見逃してしまうこともあります。あと、時間や気持ちの余裕もないと億劫に思っているまま終わってしまったり。
長澤雅彦監督の作品は、これまで「13階段」だけレンタルで観ていました。
デビュー作の「ココニイルコト」はスガシカオ氏の楽曲そのままのタイトルでちょっと気になっていたり、「夜のピクニック」も観たかったんですが、今まで縁がなかったです。
今回は瀬尾まいこさんの小説が原作ですが、まだそれは読んでいませんでした。
主演の二人が加藤ローサ+徳井義実という組み合わせで、予告を観ていてかなり気になっていました。
原作の舞台そのままのロケーションで、京都府宮津市の幽玄を感じる風景が何しろきれいでした。
その先に、絶景の宿・民宿たむらがあります。
なんとなく導かれるように訪れる加藤ローサ=千鶴が、自然に肩の力が抜けるすべてがそこに最初から用意されていたかのように在りました。徳井くん演じる田村も、ぶっきらぼうだけどあったかくて、ほっといてくれるくらいの優しさが自然でよかったです。決して心優しい、すごくいい人ではないんだけど、自分の身の丈に必要なものだけはちゃんと持ってて、それを誰かに見せ付けたりするわけではない、ほどほど感があって。これが本格的に映画出演するのは初になっている、そんなたどたどしさは何もなかったです。TVでのイメージからすると意外な配役かもしれませんが、その佇まいは気負いも緊張も感じられず、物語に溶け込んでて驚きです。この配役のアイデアはぴったりだったと思います。なので、これを機に、むしろ次々出たりしないでほしいくらいです。
宿に着いて寝まくって、髪がぼさぼさで眼もとろんとして、でもおいしいごはんを食べてる千鶴は最高でした。
あの手打ちそばはとにかく、間違いなくおいしいだろうなというのが伝わってきました。
機会があるなら、あの場所に行って、食べてみたいです。
最終的にお互いの気持ちがちゃんと通じて・・・とか、そんなにはうまくいかないのが現実だろうというこの終わり方と、そこに流れる熊木杏里さんの主題歌 ♪こと の響くこの作品の温度が心地よかったです。
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なお、日本インターネット映画大賞のURLはhttp://www.movieawards.jp/です。
by 日本インターネット映画大賞 (2008-12-23 11:59)