蟲師 10 / 漆原友紀 [マンガのこと]
映画化がきっかけで、この作品の原作を後追いで手にとり読み始めました。
映画は映画で、スケールも大きく映像もきれいだしロケーションも幽玄な雰囲気がよかったですが、この原作の柔らかなタッチの和の質感も大好きです。
民話というか里山の伝承のようなエピソードが、たとえば強い文明批判になっていく訳ではないんだけど、ヒトがゆっくりと踏み外してきた道がやっぱり見えてくるような気がします。
現在の便利さを拒絶して生きることが出来るほど自分も覚悟が出来ているわけじゃないし、毎日自分でも呆れるほどゴミが出て結果的に無頓着にも消費して捨てていく暮らしの罪深さはなんなんだろうと一方で思いつつ・・・・その残念で弱い己に何も出来ずにいます。
最期に収められたエピソードも、決して希望がしっかり描かれているものではなかったんですが、ギンコの旅は相変わらず続いていくんだと思うんですが、悪くないなと思える余韻を残してくれました。
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