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「ダークナイト」 [cinema]


ダークナイト 特別版 [DVD]

ダークナイト 特別版 [DVD]

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • メディア: DVD


8/31(日)にハシゴしてきた2本のうちの1本目、公開前からずっと気になってたこの作品です。
さかのぼるとティム・バートン版から、なんだかんだで映画化されたシリーズは一通り観てきました。
バットマン役が交代したり(最終的にジョージ・クルーニーって…いや、嫌いじゃないですけど、ちらっとバットマン&ロビンが男色の匂いだったり、どこへ向かっちゃうの?っていう感は否めず)、なんとなくトーンダウンし始めていたんですが、監督が交代して、クリストファー・ノーランになってから、一気にどシリアスで作品のトーンが変わりました。
刷新して再スタートになった状態です。
前作「ビギンズ」で、ブルース・ウェインのプロフィールからして過去の流れを無かったことにして更新してしまったんで、満を持してここでジョーカー再登場、しかもトゥフェイスまで絡んで事態はかなり複雑な状況で展開です。
このジョーカーの強烈なキャラクターはもちろん脚本上の設定として最初から箍が外れているわけですが、演じるヒース・レジャーの渾身の表現で超越的な存在になってます。アプローチは全然違うんだけど、その後の急逝を考えるとつい「ブラックレイン」での松田優作氏の姿が思い浮かんでしまいます。
ジョーカーはバットマンという市民社会の価値観とは異質のキャラクターに勝手に親近感を持ちながら、刹那的で享楽的な我が道を突き進む迷惑なキャラクター。そしてその抱えている心の闇はバットマンにも同質のものが存在するという脚本上の描写は凄いです。バットマンは自らの存在の中にその矛盾を意識しながら自ら引き受けることでジョーカーに対峙し、ほぼ同じく見えている闇に対してジョーカーとは全く違う結論と行動原理を導き出す…これって、アメリカという国家が2001年以降に歩んできた方向へのある種の提示と批判として勝手に解釈してみると、その批評性が垣間見える気がしました。ジョーカーにはルール無視という原則があり、それはもしかしたら世界の標準を標榜する価値観を、違う信仰がベースにあって異なるはずの価値観に対して正義の暴力を行使して従わせようとする態度に見えなくも無いと思ってしまいます。それは、捉え方によっては悪意ではないのか、と。
ゴッサム・シティの表情も、特にバートン監督が描いたポップかつダークな街とは、もうはっきり別物になってて、架空でありながら現実のアメリカの都市そのものの様相なのがクリストファー・ノーラン監督の狙いでもあり、特に暴力描写の苛烈さは妙にリアルで圧倒的です。

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