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「西の魔女が死んだ」 [cinema]


西の魔女が死んだ 特別版 【初回限定生産2枚組】 [DVD]

西の魔女が死んだ 特別版 【初回限定生産2枚組】 [DVD]

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • メディア: DVD


映画の感想記事のupが極端に滞ってしまいました。
この作品は7月1日映画の日割引で鑑賞したものです。
長崎からの平和の祈りをこめたこの日に、やっとなんだか気持ちに余裕が出てきたみたいで、文章にまとめることが出来ます。

監督・脚本は長崎俊一氏。
以前、山崎まさよし氏が主演した韓国映画のリメイク「8月のクリスマス」を撮った監督です。この作品は原作でもある韓国のオリジナル版を無理なくロケーションを日本に置き換えて、淡い語り口はそのままに描かれている世界が観ていてすごく身体に馴染んでしっくりくる感覚がありました。今回は梨木香歩さんの小説が原作です。といっても、自分はまだ原作の方は読んでいませんでした(実は様々な映画化作品で、自分にはこのパターンがかなり多いです)。
おばあちゃんを演じるサチ・パーカーさんはこれが日本映画デビューとなる訳ですが、日本語の台詞がとても自然で、その品のある佇まいが“魔女(あくまでこれは呼び名としての表現ですが)”というちょっと現実から浮遊した存在として、独特で説得力があり新鮮でした。森の奥に住み、自然とうまく向き合いながらゆったりとした時間の流れの中で過ごす暮らしぶりが、都会とは明らかに違います。便利ではないことの贅沢さ、豊かさを観ていて感じずにはいられませんでした。
更に配役として絶妙だったのはまいをおばあちゃんに預けて遠くで見守る両親です。
おばあちゃんと孫娘との間で不器用にしか向き合えない母を演じたりょうさんも、遠慮がちだけど温かみのある父を演じた大森南朋氏も、思春期に入りかけて深く深く傷ついた心をうまく打ち明けられない「まい」の目線からすれば、こういう距離感なんだろうなと思える両親で、その感じがなんだかリアルタイムな現代の家族の姿そのものに見えました。子供たちだけがコミュニケーションが下手なんじゃなくて、大人でも少なからずそうなんだというのは、なんとなく日常的に思い当たる部分です。そういう関係性の微妙な具合は、観ていて妙に切なかったです。

そして、この森の美術を担当したのが美術監督・矢内京子さんという方で、美術監修は種田陽平氏です。
種田氏は大好きな「スワロウテイル」以来、ずっと気になっていた美術監督で、最近では三谷監督の「THE有頂天ホテル」とか「いま、会いにゆきます」とか、「フラガール」とか、好きな日本映画でかなりの頻度で名前を目にしてきた人で、この森の中にあるおばあちゃんの家の雰囲気が実際にそこにある楽園のようで最高でした(家とはまた少し離れた場所に、サンクチュアリも登場していましたが、この映像がまた魅力的でした)。
西の魔女が死んだ

西の魔女が死んだ

  • 作者: 梨木 香歩
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 1996/03
  • メディア: -


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コメント 6

cancan

実際にここの家を見ました
今もあるでしょう(ナンかボランティアさんで 何とかって記事を・・)
ここの雰囲気 ちょっと好きでした。
by cancan (2009-07-19 22:39) 

cs

cancan さんもこの作品、ご覧になってたんですね。
気になる作品の傾向が随分かぶるんですね。
日本映画で観たいものがある程度一緒だと、なんだかその感覚はたぶん自分と似ててどういうのが好きなのか分かる気がします。

家は今も残してるはずです。
この魔女が住む森の奥の家っていうのが、ほんと素敵でよかったですね。
美術監修の種田陽平さん、「いま、会いにゆきます」の森の雰囲気もよかったですけど、あれとはまた違ってこの作品の包み込むような自然がほんと印象的でした。

by cs (2009-07-19 23:49) 

cancan

多分 見ている作品がかぶるのは
俳優さんが重なっていたり 
予告の影響であったりするのかもしれませんね。
けど おくりびと 明日の記憶 日本沈没 チャーリーの… 
 ポニョ ゲド戦記  他なんかも csさんのには記事ってあり
cancan 見たことを思い出したもの☆
でも記事に無いので おばあちゃんの家 水霊 猟奇的な彼女
幸せになるための27のドレス 少林ケンポー 
カンフーパンダ ハンサムスーツ 他はなかったけど
その分csさんが見たもので 星条旗 とか 戦争ものは苦手です。
けど かぶりますね~
今 みたいのは アジアンタムブルー かもです。
これには阿部さんはじめ 佐々木さん 高島さん コジマさんは勿論
小日向さん 出ているのですよね~
上映期間中に見れなくて 後悔している作品のひとつです。
by cancan (2009-07-20 23:03) 

cs

cancanさん>
その通りですね。
気になる俳優さんがかぶると、観ていく作品は自然と一致してきます。
で、どういう俳優さんだときになるかというと、作品のどういう部分が気になるかが似てるんじゃないかと。
記事にない挙げてもらった作品はその通りで大体観てません。
似てるけど、観てきたものがちょっとずつ違うのがまた面白かったりしますね。そうして誰かの影響で興味がわいたりして。
アジアンタムブルーもやっぱり気になっていました。
やっぱり、出てる人たちが気になるし、多分観て自分が好きなテイストなのが想像つくんですよね。
by cs (2009-07-21 00:29) 

cancan

そうですね。
不思議ですね~
また 遊びにきまーす☆
csさんも 見に来てくださいね。
あとアジアンタムブルーみたら 教えてください。
DVDを借りてまでは みない派なので…
by cancan (2009-07-21 09:38) 

cs

cancanさん>
実は自分もDVD借りることはほとんどないんです。
ケーブルでWOWOWとか放映があったら録画して観ようと思いますが、そのときはまた記事にしますので。
それとは別に、cancanさんの記事にこれからコメントさせてもらいに何度もお邪魔しますので、よろしくお願いします。
by cs (2009-07-21 22:43) 

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