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「山のあなた 徳市の恋」 [cinema]


山のあなた 徳市の恋 スタンダード・エディション [DVD]

山のあなた 徳市の恋 スタンダード・エディション [DVD]

  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD


大好きな石井克人監督の新しい作品、待ち遠しくて公開初日、5/25(土)に観てきました。
今回は70年前の作品『按摩と女』(監督・脚本:清水宏、1938年作品)の“カヴァー”とのこと。
モノクロ作品を高画質カラーで、更に高音質で再現するというチャンレンジには、求めていた映像と物語がそこにあったからというシンプルな目的がありました。そのことは自由なイマジネーションから追求してほのぼのとした和のテイストが心地いい『茶の味』を撮ったことにもつながる気がします。たまたま描こうとしていた世界観が、清水宏監督の作品に結果的に共通するものがあって。
按摩と女

按摩と女

  • 出版社/メーカー: 松竹
  • メディア: DVD


新緑の時季に、温泉地へと出向く二人の按摩、徳市と福市。
この物語の冒頭に描かれる映像が何しろ心地よくて、このロケーションでこその映像、響いてくる音に豊かさを感じます。
草彅剛くんの飄々としながら自らの境遇を当たり前に愉しんでいる姿、この徳市のキャラクター造形に爽やかさがあってハンディキャップによる不憫など感じさせないのがやはり彼ならではの個性のように思えます。TVドラマの「僕の歩く道」でも自閉症のキャラクターを演じていて、そこでも感じたように、特徴を誇張しすぎない独自の匙加減がありました。
気の合う仲間である福市=加瀬亮くんがまた、全然違うアプローチで演じてて、この二人の佇まいが最高です。加瀬亮くんは様々な作品で、その求められるキャラクターに溶け込むような毎回違った顔を見せてくれる本当に引き出しが多い俳優さんで、公開前のインタビューを聞いていると、今回は特に草彅くんに受けた刺激がそのまま役柄に投影されてて、声のトーンも普段と変えたり、監督の求めるカヴァーとしての役に自分なりの解釈を加味しながらも忠実に再現を試みたりと、これまで以上に魅力的な表情が印象に残ります。
「茶の味」に引き続き三浦友和さんが登場したり、津田寛治さんや堤真一さん、松金よね子さん、渡辺えり子さんまで加わったりと、楽しい映像でした。森下能幸さんと田中要次さんは石井克人作品では御馴染みの顔ぶれだし。
そこにマイコさん演じる女性が他の登場人物とまた違ったポジションで居るのが、監督の狙い通りで少し空間のトーンが異なって見えて効果的でした。これが映画だけじゃなく演技することも初だったのには驚きです。
温泉地に聞こえている様々な効果音の心地よさに溶け込むような音楽も控え目だけど柔らかい情感があって和めて好きです。

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