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「サッド ヴァケイション」 [cinema]


サッドヴァケイション プレミアム・エディション [DVD]

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  • 出版社/メーカー: ジェネオン エンタテインメント
  • メディア: DVD


今までまだ一度もなかった事態ですが・・・・・・・・・・せっかく時間かけていろいろ設定までした記事が削除になってしまいました。
最終的には自分の操作で行っていることとはいえ、記事管理ページの表示がおかしくなっていたりしてやむを得ず判断したもので、本意では無いだけに残念でなりません。仕方ないので、気を取り直して、改めて記事を。

近場で上映していた時期に見逃してしまい、かなり久々に出かけた目黒シネマでの鑑賞で、これと「転々」の2作品を通常のロードショー1本より安い料金で観られるなんてお得です。

目黒シネマ



以前観た「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」に続いて浅野忠信氏+宮崎あおいさん共演ということで、単純に興味があって楽しみでしたが、じつはこの作品、青山真治監督の北九州サーガ完結編という位置づけだというのをパンフを後から読んで初めて知りました。具体的には実質的な長編劇場映画デビュー作である「Helpless」(1996)と「EUREKA ユリイカ」(2000)で、たまたまどちらも一度観ていた作品でした。「ユリイカ」は役所広司氏が主演で、当時かなり実験的な独特の雰囲気が確か予告編を観ていて気になりテアトル新宿に出かけ、そこでやっと青山真治監督を知ってから「Helpless」は遡ってビデオを借りてきて観ました。
他の作品でも共通して感じることですが、荒涼とした砂っぽいロケーションが北九州じゃなくても必ずといっていいほど見えているのがつい自分はなんだか青山監督らしい意匠なんだと感じます。半分以上枯れて茶色くなった草が、つねにそこには映っています。
そして特に前半、色濃い沈黙とともにある理不尽な暴力描写は北野武監督作品のムードに通じるものがあります。
浅野氏は表面的には穏やかだけど狂気を内に秘めたこの役柄が10年来の久々のものとは思えない実に自然に身にまとう雰囲気があって、でも着実に積み上げてきたキャリアもあって、その年月によって生み出されている陰影の深さが幾層にも重なり合って見えます。今回のポジションはある意味悲劇的で神話のような呪いを帯びた存在として運命に抗いながらも翻弄されるしかないかなり切ない役柄ですが、物語の着地点はその悲劇を受け入れ赦す母の超越的な存在があって、空虚さが揺らいで終わっていく描き方になっている気がしました。そこに「ユリイカ」のその後のあの少女=宮崎あおいさん演じる梢が関与してくるなんて、ちょっと不思議な感覚でもありますが、そういう複雑な要素があってこそ成立しているうねりのようなエピソードが意外にすんなりニュートラルに観ることが出来ました。もちろんこの作品だけを独立に観ても十分です。
オダギリジョーくんも浅野氏との久々の共演でこれがまた個人的に嬉しい部分でもありました。記憶違いじゃなければ、「アカルイミライ」以来です。
「Helpless」にも「ユリイカ」にも登場した光石研氏と斉藤陽一郎くん、この二人の半ばアドリブ的なゆるいやりとりのふとした笑いの要素がまたいい味わいで、和みます。


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