「潜水服は蝶の夢を見る」 [cinema]
2月24日に鑑賞してきました。
普段最も利用頻度の高いシネプレックス幕張で、最近のラインナップの中にこういうミニシアター系の作品が幾つか含まれるようになりました。とはいえ、やはりかなりの数の観たかった作品を残念ながら見逃しているんですが、それでもこれはありがたいことです。そのせいもあってか、都内にまで足を伸ばす機会が減ったのもあります。千葉でも上演があったのに、結局行けなかった「転々」を観たかったなぁ。
ジュリアン・シュナーベル監督について、不勉強で全然知らなかったんですが、全編フランス語で撮られていてこの作品はフランス映画なのかと当然思っていたんですが違いました。監督はニューヨーク市ブルックリン生まれ、そして主演のジャン・ドー役は当初ジョニー・デップを予定してて、彼の話すフランス語っていうのも興味深かったんですが『ミュンヘン』にも出演していたマチュー・アマルリックに決定、それがでも結果的にはプラスに作用しているようです。アメリカ・フランス製作という形で、アカデミー賞の部門としては外国語映画の範疇に入る作品でした。「みなさん、さようなら」に出演しているキャストの人も居たりするんですが、自分はしっかり記憶していませんでした。マチュー・アマルリックにしてもそれは同様でした。
脚本の構成もちょっと独特でジャン・ドー主観で描かれ始める冒頭のことを事前に情報として余り詳しく知らずに観ることが出来たらその衝撃度も更に大きかったと思いました。多少そのことを知っていてもこの主人公の潜水服みたいと表現している我が身の不自由さを作品を観ながら一緒に体験する感じがあって、ここで描かれるロックト・イン・シンドローム(閉じ込め症候群)に突然なってしまうなんともいえない理不尽さが伝わってきます。実際には症状として少し違いますが「レナードの朝」で描かれていたあの患者たちの苦悩も同じだったんだなと改めて感じました。どちらも現実の出来事であり、実話ベースの作品で、もしかしたら他人事では済まされないものです。
そして後半、周囲の献身的な支えもあって想像力によって自由を新たに獲得する彼の姿はそれこそが人生の素晴らしさであるように彩りにあふれエネルギッシュに見えます。このへんの展開は数年前に公開された「海を飛ぶ夢」でも描かれていた表現を観たときの感覚に近かったです。
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「明日への遺言」と一緒にはしごで観て来ました。
まだ日記に感想も書いていませんが、私も「海を飛ぶ夢」を思い浮かべました^^
by minku~♪ (2008-03-16 00:08)
私は大阪まで出て観てきました^^
こっちでもミニシアター系枠をシネコンでも作って欲しいな~
by コダマ (2008-03-16 02:20)
minku~♪さん、こちらへもコメントどうもありがとうございます。
これと「明日への遺言」とハシゴでしたか。充実の鑑賞ですね。
「海を飛ぶ夢」もそうですが、途中から一気に開放感のある映像ですごい心地いい展開ですよね。もちろん、この深刻な境遇に苦しみは多いはずですが、生きることへの希望が描かれている点が素敵でした。minku~♪さんの感想、楽しみに待ってます。
コダマさん>
これは遠出してでも観ておいて正解ですよね。でも、やっぱり近場で利用しやすいシネコンなんかでこういう作品もどんどん紹介してくれるのがより嬉しいです。それにしても、以前だったら全くかからなかったような邦画がシネコンでもどんどん上映されるようになってるし、状況は日々変わっていきますから期待したいです。
by cs (2008-03-16 11:33)
おはようございます、ご訪問ありがとうございました^^
監督さんはフランスの方ではなかったのですね。
知りませんでした。(映像、音楽などセンスのある人ですね)
普段自分の身体のことを、あまり省みず無理をさせているかも。
誰にも起こりうるかも知れない出来事なのですよね。
by てくてく (2008-04-03 08:20)
てくてくさん、コメントとniceをわざわざ来て頂いた上に、どうもありがとうございました。
自分もよく知らないで、なんかフランス映画っぽいからきっとそうなんだろうなと当然思っていたら違ってました。本当に映像も、そして使われていた音楽も素敵でサントラがあったら欲しいんですが、ちょっと店頭で探すくらいではCDショップには見当たりませんでした。
自分の身体なんて、結構ほったらかしてしまってますよね。それは実は五体満足だからこそ、日常的に不便を感じてないだけで、本当はありがたいことなんですよね。とはいっても、自分はちょっと無理しちゃうと年齢をつい感じずにはいられない日々が・・・。
by cs (2008-04-03 23:25)