「自虐の詩」 [cinema]
2007年11月30日に鑑賞しました。
ここへの記事のup、サボりすぎてます。
堤幸彦監督は、前作の「包帯クラブ」も観たかったんですが、タイミングが合わせられずに見逃してしまい、この作品も上映期間がこれで終わってしまいそうで慌てて平日に出かけました。
業田良家氏の原作4コマは、微かな記憶で見かけたことがある程度で、ほぼ内容は知らない状態です。そのマンガっぽさは主演のイサオ役=阿部寛氏のパンチパーマにわかりやすく描かれていますが、実は原作のキャラクターはパンチではなかったので映画独自のデフォルメ解釈です。その辺のやり過ぎな感じを実直に演じる阿部寛さん、実はこの力一杯なテンションが後半に違った顔を見せるので驚きました。そして幸江役=中谷美紀さんは、こういう不憫で残念なキャラクターになるとついつい「嫌われ松子の一生」と比較してしまうし、無理に差別化にだけエネルギーを注いでも逆に観ていて冷めてしまうところを堤演出では十分承知で近くて遠いキャラクターに仕上げていました。中谷さん、こういう引き出しが実はほんとに豊富だったんですね。松子の暴走勘違い部分は今回は全く出さずに淡々と表現していて、その佇まいがイサオと好対照で素敵でした。
この幸江の子供時代のエピソード、その中に登場する熊本さんとのかなり微妙な関係が最終的に強い絆になっていたという描写はちょっと予想外で、この中学生時代の二人がまた独特でキャラクターに惹かれて魅了されました。
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