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「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 [cinema]

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ [DVD]

腑抜けども、悲しみの愛を見せろ [DVD]

  • 出版社/メーカー: アミューズソフトエンタテインメント
  • メディア: DVD

キャスティングが楽しみで観たかった邦画を2本続けて鑑賞してきました。
upが遅くなってますが先週日曜、7/8、いつもの幕張シネプレックスです。

主演の佐藤江梨子さんは勘違いの自己中心キャラという設定なんですが、状況として映像が実際に描かれている部分ではない、ふと雰囲気だけが窺い知れるくらいの部分でなんだか惹かれてしまう要素があります。それが彼女が演じている意味でもあるし、魅力ある存在感ということにつながるんでしょう。ある意味「嫌われ松子」みたいなイメージに重なるんですが、松子さんの極端さはこの澄伽という姉には実はそんなにないんじゃないかとも感じます。その姉にほんとに興味がありすぎて屈折した表現をしてしまう妹=清深。佐津川愛美さん演じるキャラクターがまた最高でした。佐津川さんは映画『蝉しぐれ』であの女の子を演じてたのは、パンフで知るまで結びつかなくて驚きです。このメガネのキャラクターは「SWING GIRLS」の関口役=本仮屋ユイカさん以来で個人的にお気に入りです。ラストに来て、それまでの様々な出来事(ここに至る前の時点ですでにある種病的にひどい状況になってるわけですが)があって、それまでには言わないでおいた言葉まで口にしてしまったからこそ初めて到達できたこの二人の関係が表れるバスの中の情景を観て、先のことは全く分からないけど、ここの地点に立てている今があればいいんだと思えるシーンで、一気に和めました。原作にはない結末のようですが、映画ではこういう終わり方でよかったです。
兄・宍道(これを「しんじ」と読めるわけはないと思うんですが・・・・)役=永瀬正敏氏の気弱な感じ、そこに監督は共感してこの舞台脚本に惹かれたそうですが、自分もこの兄の状況の流され方には妙に納得がいきます。業の深さがそれほどあるわけではないけど、展開上そうなってしまう兄の優しいが故にダメなところがけっこう深く響いてきます。自分にもこんな面があるってことでもあるのかもしれません。そして兄嫁・待子さん役=永作博美さん。永作さんのここ数年の映画出演作は幾つか観ていて、どれもかなりそれぞれに好きだったんですが、今回は突き抜けてて、いちばん切なくて(これを切ないと表現していいものかどうかは・・・いや、でもそう思えます)、大好きです。最初の登場からもう表情に心奪われてしまいました。


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コメント 4

csさん>
先日はnice&コメントありがとうございました!
csさんも幕張でよく見られているんですね。
この映画の永作さんはとてもよかったです♪
けなげな感じがカワイイというか、イイ感じでした。
by (2007-07-22 20:42) 

cs

けんさん>
こちらこそ、nice&コメントどうもありがとうございます。
幕張が出来る前はららぽーと内の映画館(まだ以前のばらばらの形)だったり千葉のシネマックスによく出かけてましたが、最近はいちばんメインで出かける先として利用しています。歩いていける距離ではないんですが地元の劇場っていう感覚です。けんさんもシネプレックスに出かけたりするんですね。奇遇です。会員になっているので通常でも一般1500円で観られるしポイントはすぐに一杯になって無料サービスで観られるし、特にこの作品みたいに単館系のものまで(それも邦画で)随分上映してくれてますます集中しています(それでも上映がない作品は仕方なく都内まで出ます。電車賃+通常料金は、つい足が遠のきますね)。
永作さん、ほんとよかったですね。あの家族ってそれぞれが別の問題を抱えてるんだけど、兄嫁・待子さんのキャラクターを永作さんが演じたことで魅力が引き出されている部分が少なからずある気がします。あのけなげさにすっかり心奪われました。あの姉妹も永瀬氏も、みんなすごい適役でよかったです。
by cs (2007-07-23 20:23) 

irie

csさん、こんばんは。
先日はnice&コメントをどうもありがとうございました。
いろいろご覧になってるんですね。
この映画、劇場予告を観てすごく気になっていたのに
すっかり忘れていました。
もう終わってしまったかな・・・
DVDで絶対観ます!
by irie (2007-09-05 00:10) 

cs

irieさん、こちらこそnice&コメント、どうもありがとうごさいます。
ここ数年は気になる邦画も地元と言っていい普段利用する映画館でどんどん公開してくれる状況になったのもあって、かなり偏る傾向の作品ばかりを選んじゃってるんですが、この作品もその中のひとつでした。
劇場公開は一回りしちゃったみたいで、あとはリバイバルかDVDとかになっちゃいそうですね。でも、これはどうしてもスクリーンじゃなきゃ楽しめないというような内容ではないので、機会があったらどうぞ。
こちらもまた、irieさんのところにお邪魔したいと思いますのでよろしくお願いします。
by cs (2007-09-05 22:58) 

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