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「時をかける少女(2006)」 [cinema]

時をかける少女 限定版

時をかける少女 限定版

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2007/04/20
  • メディア: DVD


8月は、結局1日の映画の日割引で鑑賞しただけ、映画館は気づけば遠くなっていました。
自分の記録を振り返ってみると、たぶん8月は本を読むのが楽しかったから、それはそれで満足だったといえます。
9月になり、気持ちの面でもちょっとリフレッシュできたのか、忙しくないはずないのに、1日に2本、続けて3日に1本、順調に出かけることができました。
今回アニメになって脚本も新しく、原作小説から考えると2代目っていう扱いの作品です。
  ※ 以下、ネタバレ部分が含まれますので、ご注意を。
まずキャラクターが貞本義行氏のデザインで、伸び伸びしてて、いい意味でごく普通の高校生なのが自分にはリアルに思えました。いまの10代の子たちって、すごく意識して身なりに神経使ってなく見えててもほんとに十分スマートなんですね。いや、外見はやっぱり気にしててこうなってるんだろうか。もちろん、現実にはこの作品の中で描かれてる人物ばっかりじゃないから、もっと様々なんでしょうが、特に主人公の真琴はちっとも特別じゃなくて、こういう子はどこにでも居るだろうというイメージ。むしろ友達や他のキャラクターのほうが「このキャラクターはかわいい子としてデザインされてる」という印象です(それとも単にこれは自分の好みの問題?)。
ところが脚本としてはかなり特殊な出来事が起こり、‘普通の感覚で10代の子はこの状況だったらこう行動するんだろう’と思える反応に、細田監督の演出の巧みさを感じました。
タイムリープが可能で、どういう使い方というのが理解できたら、早速実行、で、どんどん試行錯誤してリセットしてっていうパターンが、ほんとに活き活き描かれていて、このへんのムードは無駄にタイムマシンで昨日に繰り返し戻ってドタバタが展開していく「サマータイムマシン・ブルース」と通じるなぁと思いました。
もし、このひと夏の特別な出来事の中に少女を何らかの形で成長させていくきっかけがあるんだとしたら、日常を過ごしている普段のなかば無意識的な感覚の中から結構短絡的に先へ先へ進んで行動していくうちに、ふと自らを省みてしんみりしてしまう(あるいは後になってから自分の手痛いミスに気づく)ことで実感していくんじゃないかと。そんなにポジティブに物事を考えてたわけじゃなくて、将来もわからないしこの先どうなるとか考えたくもなかったけど、正面から向かわなきゃいけない明日はいずれは来てしまうんだと受け入れるしかないと、自然と気づくことがやっぱりあるわけです。
その成長に至る心の動きを追う描写がとてもスムーズで、テンポがよくて。
で、ふと考えたら、このお話は夏の数日間(たぶん2~3日)ですべて完結してるんですね。
でも、その切ない気持ちは十分伝わるし、細かい部分で大林宣彦監督の実写版作品をきっちり踏襲して世界観ができているし、映画館への動員でもその評価が高い満足度に結びついていることがよくわかります。
青くて澄んだ夏の空と入道雲の映像、それと奥華子の主題歌「ガーネット」のまっすぐな言葉は、深く印象に残りました。


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くみみん

こんばんは。
私の場合、「時をかける少女」=大林監督&原田知世なんですが…、新しい「時をかける少女」ですね。面白そうですね。観てみたいです。多分、DVDでの鑑賞になりそうですが。そういえば、筒井さんは登場していませんか?リメイクついでに「七瀬ふたたび」とかもやってくれないかなあ?好きなんだけど。
by くみみん (2006-09-07 01:35) 

cs

kumiminさん>
niceとコメント、どおうもありがとうございます。
自分も世代からいうと「時をかける少女=原田知世」です。
で、今回の作品はリメイクではないですね。新しい脚本で、原田知世が演じた女性が主人公の謎めいたおばさんという設定で登場してリンクしています。
別物として、観ておいてよかったなと思えるものでした。DVDリリースを待ってでも、ぜひ楽しんでください。
なお、原作の筒井康隆氏、さすがにアニメには登場していませんでした(いや、たぶん・・・・見逃していなければ)。
「七瀬ふたたび」っていうのも懐かしいですね。
by cs (2006-09-07 23:21) 

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