「ブロークン・フラワーズ」 [cinema]
ジム・ジャームッシュ監督の作品は好きで、幾つか観てます。
この作品は昨年のカンヌ映画祭でグランプリを受賞していたので、日本での公開がいつになるかと、心待ちにしていました。
主演のビル・マーレイは「コーヒー&シガレッツ」でもジャームッシュ作品に登場でした。なんにもしない間がおかしい不思議なポーカーフェイスがいい味わいです。今回の雰囲気はソフィア・コッポラ監督の「ロスト・イン・トランスレーション」にも通じる、とりあえず今ダメな感じの漂う冴えないキャラクター。これって、俳優としてのタイプが少しまた違うけど「アバウト・シュミット」でのジャック・ニコルソンが表現してるものとも共通してます。
いままで、全部じゃないけど作品の幾つかがモノクロームで描かれていたから、今回の脚本であちこちに散りばめられているピンクがちょっと意外な気もします。そのピンクな要素がドン・ジョンストン=ビル・マーレイが訪ねていく先々の女性たちの身の回りにこれでもかと登場してきて、その浮き立った感じに居心地悪そうにしてる彼の表情がなんとも親近感が沸きます。
それからエチオピア音楽の使者、隣人のウィンストン=ジェフリー・ライト。このお節介がまたいいんですね。どうもウィンストンとドンはコミュニケーションがかみ合ってなさそうなのに、多分お互い信頼関係がしっかりあるっていう。
ふと唐突に途切れるように結末がくる編集、そして脚本の語り口。やはりジャームッシュ作品は自分にはテンポとか距離感とか、なんとなくしっくりきます。
私もジム・ジャームッシュ好きですね。
ビル・マーレイも、あの幸が薄そうな中年男性っぽいキャラクターが、存在感があっていいです。この作品、観たいなぁと思いながら、なんとなく見逃しそうな、そんな気もするのですが、よさそうですね。最近の予告編の中では印象に強い作品です。
by ちづ (2006-05-04 12:29)
ちづさん>
コメントどうもありがとうございます。
やっぱり、好きですか(たぶんちゃんと聞いたことないはずだけどなんか、その感覚がすごく納得できるんですが)。
ビル・マーレイは、存在感がくたびれてるんですよね。全然悪い意味じゃなくて、それがまたキュートだったりもします。実はジャームッシュ作品って、アメリカだけじゃなく日本でも公開がインディペンデントなので都内に出ないとダメかなと思ってて、幕張で上映があったのが意外で驚きでした。
ちづさん、このままだと見逃しそうですか?こういうのってタイミングで予測できないかもしれないけど、もし出会えたら感想を楽しみにしてますので。
by cs (2006-05-04 19:12)
うっ、そう言われると観にいかなければと思ってしまう、マインドコントロールされやすい私。明日とか行こうかなー。
by ちづ (2006-05-05 22:36)
ちづさん>
強制しようとか誘導しようとしたつもりではないんですけどね。なんかちょっと脱力するエチオピア音楽聞くっていうのでも楽しめます(って、これ、明らかに宣伝してますね・・・・)。映画館じゃなくてもこの味わいはまったく損なわれないと思うので、レンタル待っててもOKですきっと。
あ、そうそう。『ホテル・ルワンダ』をやっと観ましたので、コメントしにうかがいますね。
by cs (2006-05-06 00:28)
観てきましたよ。
感想はブログにて。
by ちづ (2006-05-13 23:08)
ちづさん>
そうでしたか。あまりに薦めてしまったから?それだけじゃないですね。
では、早速伺います。
by cs (2006-05-14 14:16)