クラウド・コレクター/クラフト・エヴィング商會 [本のこと。]
「クラウド・コレクター/雲をつかむような話」というのが正式な本のタイトルです。
クラフト・エヴィング商會の本は、独特のつくりでまず本そのものが手にとって読み進めるのが楽しいです。架空の物語を実在のモノとして製作して、それを挿絵として写真に撮るとか、味わいのあるイラストになって登場するので、ほんとは在るはずないんだけど、確かに実在する、少なくともこの文章の中ではリアルなモノである様々な小道具たちが愛らしい姿をしていて、なんとなく和みながら愉しい読書の時間になります。そのせいもあってか、他の小説を読むとき以上にゆったり、のんびり読み進むことになります。多分この本は買ってから2年くらい経って、やっとあとがきに至っています。
とある夢の国のタロットと、とにかく色がきれいな蒸留酒
雲は果たして何ものなのか?
ヒトにとって、忘却とは?
空っぽの壜に見えないけどあるはずの何か
「雲、売ります」という不思議
これらが混じりあい、気づけば知らない間にマジックにかけられたように調和のとれたワンダーランドを地図もなく進んでいる空想の愉しさ。晴れ晴れとした心地よさが残る本でした。
こんにちは。『雲をつかむような話』が現実にあったら?でも
それはやっぱり架空のことで…。おもしろそうですね。
今度探してみようかな?この記事を読んで全然関係ないですが、
わかぎえふさんの「笑ってる猫」に出てくる『くものかたち』という
絵本のことを思い出しました。
by くみみん (2006-02-21 14:48)
これ、この間ご紹介いただいた本と同じ作者ですよね。
本屋で探したりしてるのですが見つかりません。どこのジャンルで探せばよいのでしょう??
by ちづ (2006-02-21 23:24)
kumiminさん>
「雲をつかむような話」は現実にそこに在るのです。
架空の先々代(おじいさん)が空想の旅に出て遺した日記を実際に作ってしまって写真に収め、物語に登場する架空の蒸留酒の壜を実物としてやはり作ってしまう。そういう愛情ある作業の積み重ねで虚構は現実のものに化けているんですね。どうでもいいような思いつきに真剣に取り組むとほんとに面白いものができるんです。
自分は逆にその「笑ってる猫」という本を読んでいません。こちらも面白そうですね。
ちづさん>
そうです。その作者の方です。本屋で探すとしたらジャンルは・・・・自分のイメージはあるんで見当はつくんですが、分野でいうと何になるんだろう?フィクションではあるんですよね。文学っていうのとはまたちょっと違うし・・・ちなみに以前紹介した本については国内の男性作家という枠にありました。
なお、オススメは「ミルリトン探偵局シリーズ1・Think 夜に猫が身をひそめるところ/吉田音・著」です。筑摩書房の文芸書というカテゴリになるのかな?
クラフト・エヴィング商會 の名義とちょっとまた違いますが、おそらくいちばん売れてて入手しやすいのがこの本だと思います。(でも、どの本も在庫がかなり少ないようです・・・・)
by cs (2006-02-22 00:25)