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「あおげば尊し」 [cinema]

あおげば尊し

あおげば尊し

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2006/06/23
  • メディア: DVD


日曜に大好きな市川準監督の新作を観てきました。
計画ではこの作品と「エリ・エリ・レマ・サバクタニ」を新宿でハシゴという予定でした。
でもこの1本で余りに満ち足りてしまって、もう1本という気分ではなくなって、止めてしまいました。予想をずっと上回って、今回の「あおげば尊し」は素敵な作品でした。
原作は重松清さんの「卒業」という本の中の中篇。まだ読んでいません。
主演のテリー伊藤氏、TVでのかなりエキセントリックなキャラクターのイメージは、どうも邪魔になるんじゃないかと心配していた今回の小学校教師という役どころなんですが、これが見事ハマっていてびっくりです。市川監督にはこのアイデアに最初から確信があったんでしょうか。
担任を受け持っているクラスの中に、ふと「死体」が流行する。それは他愛ないともいえるし、深い自己理解にもつながっていく大事なきっかけともいえる場面。デリケートで、“指導”は難しい題材でしょう。ある少年が、教員集団やオトナの規範から考えると逸脱して見えなくもない。でも、それはあくまで表面的な位相でのことで、「そういうのは、よくないから」となんかテキトーに誤魔化されちゃったら、一層オトナはただ溝を際立たせるだけで、教育の機会のある側面は取捨されてしまうし、子供たちは直感でその逃げた姿勢を見抜いているんでしょう。
ここでの担任の先生は、悩み困り果ててしまうけど、失敗かもしれないけど向き合うことを選び、ある面で自分自身の弱く切ない側面も自ら引き受けなくてはならなくなります。たまたま、そういう方向に追い込まれてしまう、ある種の誠実さをリアルに演じていたテリー氏の背中がよかったです。失礼ながら、意外で、驚きました。
やっぱり、市川準監督の映画は個人的にとても好きです。

卒業

卒業

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2004/02/20
  • メディア: 単行本


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コメント 2

くみみん

こんばんは。テリー・伊藤さんって何をしている人かと思いますが
映画に出ていたんですね。個人的にはちょっとものの言い方が
決めつけっぽいので、あまり好きじゃないのですが、イメージとは
違う役なのですね。
by くみみん (2006-02-11 20:32) 

cs

kumiminさん>
コメントどうもありがとうございます。
TVでのイメージが先入観になっちゃうと、この作品での役どころは随分かけ離れてると思えます。自分も普段のイメージでは決してプラスには思えないのが正直なところですね。でも、この作品ではよかったです。早くDVD出ないかなと、気が早いですが心待ちにしてます。
重松清さんは、いま「疾走」を読み始めたばかりなんですが、この本も読んでみたくなっていて、ちょっと買うのを我慢してます。
by cs (2006-02-12 04:26) 

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