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「疾走」 [cinema]

疾走 スペシャル・エディション (初回限定生産)

疾走 スペシャル・エディション (初回限定生産)

  • 出版社/メーカー: 角川エンタテインメント
  • 発売日: 2006/05/26
  • メディア: DVD


SABU監督の新しい作品。
この原作小説を読んでいませんでした。
ハードカバーのこの本が最初に紹介されたときから(多分TV「王様のブランチ」を見ていてだったと記憶しています)気になっていたけど。
でも、映画になることを知り、がまんしてて。
初めてSABU監督がご自身の脚本ではない作品を撮る、というまずそれだけで期待が高まり、小説そのものがまず十分に支持されて評価されているのに映像化することは果敢な挑戦でもあったはずです。どういった要素を削ったり、改変したりしているのかがまだ原作を知らない自分には不明ですが、映画は北野武監督のテイストがあるような気がしました。
これまでのSABU監督の描く脚本の飄々としたキャラクターではなく、状況にまっすぐ向き合うしかない生々しい痛みを観ていて感じる人物造形で、その感じはSABU監督の描写としては「幸福の鐘」でも少し既に見られていたように思えます。“おまえ”という言葉で語られる主人公へ向けられた視点が物語の構造上次第にわかってくる部分、それが終盤で様々な感情につながってきて、観ていてなんとも不思議な共感を覚えました。
先に書いたように、ごく単純に寺島進氏とか大杉漣氏がコワモテで登場するだけでも北野作品を連想するし、それ以上に表現としてけっこう根幹の部分でSABU監督と北野監督のイメージには共通するものが何かあるのかなと勝手に推測したりもしますが、明確な根拠があってそう思うわけではないです。
関係ないけど主人公の名前、シュウジっていうのが、つい最近読み直したマンガ「最終兵器彼女」と一緒だったんで、なんだか物語が動き出す前から切なくなってしまいました。
ガマンしてた原作小説を早速この年末年始で読み始めてみたいと思っています。

疾走 上

疾走 上

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2005/05/25
  • メディア: 文庫


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コメント 2

これ、少し前に読みました。
強烈でした・・・。
映画化されると聞いて、誰がやるのかと調べたら・・・
NEWSのメンバーなんですね。
トヨエツはてっきりヤクザと思っていたら、牧師なんですよね。
原作に忠実には作らないと思うけど、どうなるのかな?
興味はあります。
by (2005-12-24 09:55) 

cs

mikakoさん>
コメントどうもありがとうございます。もう読んでいたんですか。
主演の男の子、シュウジ役はNEWSの手越祐也くんということですが、自分は全然顔のイメージを知らなかったんで、眼差しに雰囲気があってまだ手垢がついてない感じがよかったと思いました。多分、映画化脚本にする段階でかなり省略されているだろうけどシビアな状況ですよねこれ。パンフによればSABU監督は随分丁寧に原作の世界を可能な限り残そうとがんばったようです。
自分は後追いで原作にとりかかりたいと思います(その前にもう買ってある「その日のまえに」を読了しなければ)。
映画の公開は単館系で都内に行かないと観られないし、残念なことにあまりいい条件ではないですね。
by cs (2005-12-24 12:55) 

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