「カーテンコール」 [cinema]
幾つか観ておきたかった映画を観られないまま時間が過ぎ、1日の1000円デー以来になりました。
久々のまず1本目はこの作品、「カーテンコール」です。昭和30年代のとある地方の映画館で、幕間芸人の消息を現代になって追うという部分が題材として近いイメージだった「三丁目の夕日」との大きな相違点でした。
「三丁目の夕日」では、確かのそこにあった貧しくても豊かな夢をもち背筋の伸びていたノスタルジーを市井の人々のごくありきたりな人情の中にファンタジックな視点で描写するという方針できっちりと活劇でもあり娯楽に徹する作品になっていました。対するこちらは、ある意味で社会派と言えるのかもしれません。懐かしい風景に忘れてはならない在日韓国人への不当な差別があり、廃館になる劇場には興行の難しい現在の世相も見え隠れします。
佐々部清監督は自ら脚本も手がけ、『いつでも夢を』の唄とともに切なくも深く感慨の残る味わいとしてこの作品の余韻がじんわりと湧き上がってきます。
特に後半、井上堯之氏登場のあたりはしみじみ歌声に聞きほれてしまいました。
コメント 0