村上春樹全作品 1990-2000 ① 短篇集Ⅰ

久々の楽しみだったこの全集の第1巻。気づけばあっという間に読了です。内容としてはすでに出版されている「TVピープル」と「夜のくもざる」の2冊がオリジナルなので、ほぼ全部一度は読んだはずなんだけど既にすっかり記憶に無いものが幾つか有りました。今回一緒に収録された「ふわふわ」とか「青が消える」も面白かったです。それにしても、「TVピープル」収録の短編はそれまでの作品に無かったような独特の不条理で理不尽な雰囲気をもつものがあって、その不穏なムードがその後、「ねじまき鳥クロニクル」に向かうんだなとなんとなく考えました。勝手な解釈ですが。で、とにかく1篇が短い「夜のくもざる」シリーズはまた一転して面白おかしい小噺的な味わい。渡辺昇シリーズが特に愉しかったですね。イトイさんがここの企画に絡んでいたのは知りませんでした。さすがです。今回の全集では安西水丸さんのイラストがないので、改めて持っていた文庫の方に戻って再度愉しもうかと思っています。「TVピープル」は…とりあえずもっと後で。

村上春樹全作品 1990~2000 第1巻 短篇集I

• 作者: 村上 春樹
• 出版社/メーカー: 講談社
• 発売日: 2002/11/21
• メディア: 単行本

コメント 1

TB失礼します。
by kodawari (2005-08-10 23:49)